カメラマン

第11回さつき会(下)名演技をみせます:尾上民と尾上五月

 第11回さつき会は、2015年7月18日に、大井町駅前、きゅりあん小ホールで開催されました。

 さつき会は、尾上五月(元宝塚歌劇団月組・五月梨世)の『日本舞踊教室』の皆さんたちで構成されています。


 協賛出演  尾上 民

 尾上五月

 切れの良い、味のある踊りは、さすがプロ中のプロの演技です

 ふたりの呼吸は絶妙です。

 ことし2月に、この会を指導してくれた、尾上菊一郎氏がお亡くなりになりました。

 天国から観ていただいている、その気持ちで踊られていました。

  
 舞台と観客が一体化しています

 
 「宝塚は海外遠征しますから、日本舞踊は必須です」。尾上五月さん(右)にインタビューした、そのことばが印象的だった。
 もう10年くらい前になるのだろうか。


 礼儀・作法、そのことばが日本舞踊には、しっかり生きている。これが伝統だろう。

 背筋と指先に美しさが集中する。

 

第11回さつき会(中)絢爛豪華な日本舞踊=写真で魅せます

 長唄  岸の柳  尾上 禎 

 明治6年に、はじめて披露されたそうです

 清元  青海波  尾上 月香

 「せいがいは」と読みます。
 
 この文様はかつて徳川将軍家だけに許された、権威の象徴でした。高山陣屋に行くと見られます。


  長唄  藤音頭  坂東 玲奈

  お酒を少し呑まされた女性がほろ酔い、恋しい男性を想う



 春の海  藤波 大

 きりっとした男性の踊りです



 みだれ髪  小俣 信子

 美空ひばりの曲といえば、必ず出てきます。

 観客も口ずさんでいました。

 長唄  蓬莱(女)  松本 美知子

 日本舞踊には、扇子の妙技が欠かせません。 

 舞台に立つ。一年間の稽古の集大成です

 大和楽  寿  中村寿美江

 昭和初期につくられた、新邦楽の一種です。.


 

 ひょっとこ面で、たのしませてくれます。

 日本舞踊の芸能性はゆたかです。


 清元 お祭り  丸山 すゞ

 華やかですね、お祭りですから


 長唄 手習子  三井 百合花

 寺小屋に通う、娘を演じています
 

  清元 梅の春  尾上 菊八

  手拭いの小道具の使い方がとても上手です

第11回さつき会(上)魅せます日本舞踊 = 東京・大井町


 長唄  藤娘  山口 希枝子

 艶やかな舞いと衣装は、日本舞踊の妙です。


 常磐津  夕月船頭  小池 良

 男性も、魅力たっぷりに踊ります。

  清元  四君子   廣瀬 麻美 

 着物の帯は、江戸時代の娘たちのお洒落の象徴でした。

 長唄  蓬莱(男) 田中 優子

 竹取物語の「蓬莱の玉の枝」から、



 長唄  七福神  尾上 月乃

 縁起が良いですね、


 長唄  老松  尾上 れい

 文政(江戸時代)につくられた長唄です
 


 端唄 春雨 ~ 梅は咲いたか   千木 良富子

 まさしく春の代名詞です
 


 黒田節   伊藤 章子

 勇ましく踊ります。



 長唄 潮来出島  小野 貴子

 潮来といえば、花嫁さんがほうふつされますね。



 影を慕いて   根本 美恵子

 古賀メロディーとして、有名な曲です

【再掲載・動画で楽しめます】抱腹絶倒・長唄「棒しばり」の妙技

 狂言の代表的な「棒しばり」は、歌舞伎や舞踊でも演じられる。とても愉快なをパロディである。読者から『動画で見たい』と要望がありました。

 下記を左クリックして、愉しんでください。

YouTube:動画で楽しく見られます

 大名は外出前に、酒乱の太郎冠者と次郎冠者をよびつけて括(くく)りつけてしまう。「これで、余の眼を盗んで、よもや酒は飲めまい」
 と安心して外出します。

 これを巧妙に潜り抜けて、酒を飲んで踊りだす。そこからの高度な妙技です。

 

色彩豊かな芝桜が存分に楽しめる丘陵=秩父・羊山公園

 五月連休に入った。この季節には多種多様な花の名所が多い。

 西武線・横瀬駅から15分で、羊山(ひつじやま)公園に出むいてみた。ここには9種類・40万本以上の花のじゅうたんができている。

 遠方には、20代で、何度か登った武甲山が屹立(きつりつ)している。

 
 都心からのデート・スポットだから、若いカップルが多い。

 むろん、中高年も大勢いるけれど。


 

 丘陵(きゅうりょう)の一面が花でデザインされている。

 秩父夜祭は有名だ。その笠鉾(かさほこ)、囃(はやし)し手の襦袢(じゅばん)を催しているらしい。


 スマートフォンに自撮り棒(じどりぼう)を取付けて、若者どうしは自分撮りを行う。構図などはどうなんだろう?

 「シャッター」を押してください。こうした言葉がだんだん少なくなっていくのだろうか。
 
 

 同公園の一角には、チューリップの花壇があった。

 芝桜とは違った、華やかさがある。

 思いのほか人気があった。

  少子化の時代だろうか、街なかで「こいのぼり」を見かけることは数少ない。

  マンションのベランダで、玩具のような小ぶりを見かけるけれど……。

  秩父の空に、雄大な姿で泳ぐ「こいのぼり」は、子どもの日らしい。

  端午(たんご)の節句。この言葉をつかう機会も少なくなったものだ。 

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色彩豊かな春を満喫する、小時の憩い=広島植物公園


 広島県の島に生まれ育ち、18歳で東京に出た。

 それから長い歳月が経った。

 「広島市植物公園」があると初めて知った。

 
 4/10は招かれて、早朝7時から「積極人間の集い」で講演した。参加者は約40人だった。

 私は夜型なので、ふだんは朝4-5時に寝て、11時頃に起きている。

 体内時計が狂ってしまった。

 広島に来れば、観光気分などないし、ほとんど東京へとんぼ返り。きょうの午後くらいは半日、ゆっくりすごそうと決めた。

 

 私は数多く写真を撮るが、自分の写真を撮ることはない。

 むろん、撮ってください、と頼むことはない。

 「撮ってあげましょうか」

 そう言われて断るわけにもいかなかった。

 広島の女(ひと)は親切だな。

 警戒心を持たれない年齢になったのかな。



 頭上の枝葉が網目になり、芸術的な美を構成していた。

 植物の被写体は、時おり、頭上にある。
 


 水連が盛りだった。

 一輪ごとは心に収めておいた。

 見事な花弁は誰でも撮るから、あえて鮮明に取り込まなかった。


 クローズアップした花弁はゼロではない。味気ないから掲載しなかった、というのが適切な表現だろう。

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春の小さな散策・日本橋~浅草


 3月31日。なにかしら1年の区切りのような気持ちになる。

 わたしは格別、年度単位の仕事をしているわけではない。

 多くは月単位である。第2週と第4週は、小説、エッセイ、区民大学などを集中させている。

 昨日でひと区切りがついた。ちょっとほっとした開放的な気持ちから、小時、日本橋に出かけてみた。



 桜の花が満開だった。

 日本橋から足を延ばせば、千鳥ヶ淵は近い。きっと見事だろう。

 人混が想像できたので、日本橋の桜で満足しよう、と自分を説得させた。



 日本のど真ん中の、頭上には首都高速道路、眼下に流れるのは神田川、古から架かる日本橋がある。わずかな隙間には、満開の桜が顔見世をしていた。


 デパートで、写真展が開催されていた。カメラマンは長野県・松本深志高校の出身者で、天体の写真を得意としていた。

 このところ、わたしは取材で松本周辺にたびたび出むく。同校出身者にもよく出合う。そんな気持から立ち寄ってみた。

 これが写真とは驚きだ、という作品もあった。

 会場内の撮影は自由だった。カメラマンには敬意を称したい。

 


 写真だけで日本橋だとひと目でわかる。

 そんなスポットを探してみた。

 ここだろうな。



 日本橋界隈のデパートは、なにかしら展示会をやっている。

 次なるデパートに向かった。わたしはふだん絵画展など観たことはないし、むしろ苦手だ。

 それでも、好奇心で絵画展を覗いてみた。

 撮影禁止だった。フラッシュを焚けば、絵画を劣化させるからか。著作権か。ちょっと不満を覚えた。


 ほとんどの題名が懲(こ)りすぎで、どの漢和辞典の隅から探してきたのか、と思うものばかりだ。これが小説だと、題名が懲りすぎると、内容は大したことはないのが常だが?

 人物画はおしなべて、モデルが正面から突っ立って描かれていた。人物が面白くなかった。

「江戸時代の浮世絵の肢体を研究したら……」

 そんな気持で会場を出た。

 


 ヨーロッパの一都市と見まちがう光景があった。

 絵画展の不満が、この車との一瞬の出会いで解消した。

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抱腹絶倒で楽しめる、長唄「棒しばり」の高度な妙技(下)=帆之亟の会より

 狂言の代表的な「棒しばり」は、歌舞伎や舞踊でも演じられる。とても愉快なをパロディである。

YouTube:動画で楽しく見られます


 
 大名は菊月喜千壽が演じる


 大名が外出するたびに、太郎冠者・次郎冠者の二人の召使いは酒蔵へ忍び込んで、盗み酒をする。

「なにか妙案はないか」

 外出前に、大名はあれこれ思案する。


 次郎冠者は帆之亟である。


 城内の一角で、次郎冠者はが棒の手(護身術)を披露していた。

「拙者の腕は、藩内随一じゃろう」

 得意になっている、棒の術を見せびらかせている。たしかに、その腕はずば抜けている。


 


 大名は外出前に、太郎冠者と次郎冠者をよびつけて括(くく)りつけてしまう。

「これで、余の眼を盗んで、よもや酒は飲めまい」

 


「いかにして飲めるか」

 創意工夫で、何としてでも飲みたい。

 悪知恵がはたらく2人である。

 甕(かめ)のなかの酒を器用に掬(すく)っている。

 

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舞うは彩のいのち、愛の生命、そして燃えつきぬ(中)=帆之亟の会より


 藤娘  久保泰介


 若い娘が黒の塗り笠に藤づくしの衣装で現れる。

 観客席はどよめく。

 長唄「藤娘」は、人気の歌舞伎舞踊の演目の一つ。

 そのあでやかさから、日本舞踊の舞台でも必須の演目になっている。


 藤の枝を手にした藤の精が、酒に酔い興にのって踊る。

 そのうちに遠くから寺の鐘が鳴る。

 娘は家路につく。


 藤娘の美しい姿は、羽子板の押絵にもなっている。



新曲 浦島

 尾上五月(五月梨世) 元宝塚歌劇団・月組の男役、いまは日本舞踊の師匠として活躍している。



 長唄「浦島」には、なぜか、浦島太郎は登場しません。


 
 坪内逍遥(つぼうちしょうよう)が、明治37(1904)年に作詞した

 文芸的な格調の高さと、 ワーグナーのオペラ、三味線の音楽が組み合わさっています。

 踊り手は巧妙に海辺の情景を踊りで表現する。

 波は時に激しく、ある時はゆったりと押し寄せる。その緩急の呼吸が舞台から伝わってくる。


 帆之亟の会

「はんのじょう」と名乗り40周年の記念すべき公演

 2015年3月5日(木)

 日本橋劇場にて

舞うは彩のいのち、愛の生命、そして燃えつきぬ(上)=帆之亟の会より


『新鹿の子』  藤間鈴江


 恋する乙女は、身も心も深紅に燃える

 

 
 心が乱れても、あなたをひたすら待ち続けます


『賤の苧環』 卯月 悦


 静御前と、源義経の愛は心痛む


「吉野山 峰の白雪 踏み分けて

入りにし人の あとぞ 恋しき」



「しずやしず しずのおだまき 繰り返し

むかしを今に なすよしもが」



『梅川 ~それは恋~』

  梅川   苅米 良子
 
  忠兵衞 帆之亟 


 人目を忍び、落ちていく遊女「梅川」と、公金に手を付けた「忠兵衞」は、生まれ育った故郷へ


 愛を語りつつも、ふたりの末路は死のみぞ、



  末は夫婦と言いつつも、この世で結ばれぬ運命も、ふたりして新口村へ



 お前の顔も、今宵で、見納めじゃ

 妻となろうぞ、あの世で


 お前ともども、この世とも、お別れじゃ



  ふたりの恋は不滅だった


『おせん』

 綾奈 舞

 江戸の風情は、色香の浴衣姿で



 行水を終えた「おせん」が、夕涼み、艶っぽいね


 帆之亟の会

「はんのじょう」と名乗り40周年の記念すべき公演

 2015年3月5日(木)

 日本橋劇場にて