日本山岳会のアルピニズムを支援する
私が所属する社団法人(4団体)は総会ラッシュだ。どこに行っても、高年齢化の現実と若返りが課題となっている。他方で、公益法人か一般法人か、この話題(討議)でもちきりだ。公益になれば、税制の優遇をする、会員の会費を含めた収入の半分以上を公益につかえ、という趣旨だ。そういう法律ができたのだ。
嫌な法律ができたものだ。天下りなど一部の人物と、収益を私物化する団体がいるから、国家権力が私的な法人までコントロールする時代を招いた。私はそう理解している。
巨大な財政赤字を抱えるわが国だけに、「小さな国家」が理想だ。公務員の数を減らせば、取り巻く経費(許認可に要するもの)が大幅にダウンする。それなのに、私的団体のチェックをする役人の数を増やす、そんな法律ができたのだ。日本は本当に大丈夫なのか。
どの社団法人でも、定款の変更など余儀なくされている。数十年も続いて運営してきた定款が日本国中のあらゆるところで変えられているのだ。異常な現象だ。
日本山岳会の総会が、5月12日に東京・四谷で開催された。アルピニズムの最先端に立つべき団体だ。そうした伝統の上に成り立っている。ここでも、公益法人か一般法人か、それが主要な議題になっていた。
お役所がいう、「公益」とは何か。日本山岳会の会員から集めた資金が、大学に山岳部の設立のサポートに使われるとか、世界の登山界をリードできる人材育成を資金面でバックアップするとか、海外遠征隊の資金供与するとか、それらが公益か。それならば、納得できるのだが……。
国内の山の植林とか、青少年のハイキング指導とか、地方自治体、あるいはNPO法人でもできることが、押し付けられるのではないか。私たち会員の会費が、アルピニズムの高揚でなく、それら(公益と称する)事業に使われる、国家的な圧力となる可能性がある、と危惧する。
日本山岳会はつねに世界のアルピニズムの頂点にいるべきだ。ヒマラヤで登頂の技を磨くクライマー、山岳地帯の動植物の学術調査する研究者、山岳民族との強い協力体制を作るとかに、資金を使う。私自身が海外の山に登れなくても、日本山岳会に会費を払っていること自体が、彼らをサポートしている、有益なお金だと思える。
