第18回 『元気100エッセイ教室』作品紹介
今回のレクチャーは、読む側に立った「読者の特性」と、書く側に立った「作者の特性」の2点について話した。
エッセイにかぎらず文学作品は、他人に最後まで読んでもらう。これが大前提だ。そういう書き方がもとめられる。
初期の段階では、作者の自分をよく見せたい、上手く書きたいと思うばかりに、『恥ずかしくて、他人に見せるのがイヤ』という人が割りにいるものだ。そういう人は日記を書けばよい。少なくとも、エッセイを書く発想がスタートから間違っている。
読者が共感できる作品とはなにか。他の人生の追体験がでる内容のものだ。少なくとも、作者の自慢話を聞きたくて、エッセイを読むのではない。仮に1度はがまんして読んでも、2度目は読みたくなる。
作者の姿勢としては、作中の「私」を飾ったり、メッキしたり、きれいな衣服を着せたり、鎧兜で身を守ったりしないことだ。
①「私」の目線を低くする。
②「私」を冷たく突き放す
③「私」をいじめ加減で書く
④「私」の素裸をさらけ出す
この4点を念頭に書くことだと説明させてもらった。
完成度の高いエッセイとは、面識のない読者でも、最後まで読んでくれる作品だ。読者の立場から作風の好き嫌いはあるが、それでも途中で投げ出させず、最後まで読ませてしまう。読者が最初に扉を開く、作品の書き出しは重要。読者をどれだけ引き込めるか。
今回の作品紹介は、書き出しに絞り込んでみる。そして、受講生にむけた【講評】を紹介する。