小説家

『元気100・エッセイ教室』・第5回・10月度作品の書評

 これまでは、「元気に百歳」クラブの「エッセイ添削教室」だった。今月度からは文章添削から脱却し、受講者が作品を講評しながら、自身の批評力を高める、それが推敲力を高める結果になる、という方針に変えた。

 講師からのワン・ウェーでなくなったから、教室名においても、「添削」は不要だと考えた。コンセンサスはとっていないけれど、『元気100・エッセイ教室』としてネーミングを変えてみた。

 今回はいい素材の作品が多く、読み応えがあった。

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第4回のエッセイ添削教室 (書評)

 今月度はレベルの高い作品が揃った。これまで教室では、文章指導のウェイトを高くしていた。今回からは『読まれる作品、感動作品』の基準で、講評することにした。
 冒頭の20分間は、『良質な作品づくり』のレクチャーをおこなった。個人体験を綴った場合、「私とは何か」と問う姿勢が大切。「人間には、こういうところがあるな」と感じさせる、それが貫けた場合、作品には深みと感動が出てくると強調した。

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銃撃で拿捕された漁船員が、根室花咲港に帰港した

 かつて根室、花咲港、釧路、函館に出向き、北洋漁船の口の重い船員や家族から取材した。それを小説化した作品『潮流』が第七回いさり火文学賞(北海道新聞社)を受賞。同新聞に、15回にわたって連載された。


 ソ連時代に抑留された漁船員、カニ密漁の特攻船に乗り込み荒稼ぎした船員、ロシア国境警備隊の警備艇から銃撃を受けた船員。かれらは口をそろえ、家族のために、国境が確定されていない危険な北方領土の海域に出ているといった。そのうえで、つねに生死をかけた操業を強いられていると語ってくれた。
 小説『潮流』はかれらの話しを随所に取り込んでいる。 拿捕事件があると、かならず家族の悲しみがある。今回の事件を契機に、漁船員や家族の姿を知ってもらうために、『穂高健一ワールド/小説家』のコーナーで、『潮流』を全文で公開することにした。


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第3回のエッセイ添削教室 (書評)

 月遅れのお盆とか、友人の不幸とかで、作品提出者が教室に参加できない人がいた。欠席裁判を避けるために、次回送りの批評としている。
『終戦の日』の特攻隊基地の様子がリアルに描かれた上質な作品、異文化の風習をしっかり見つめている作品、心筋梗塞を宣言された自分を見つめる作品、さらには明治人の祖父を描いた作品など、読み応えのあるものが多かった。
 3回目にして筆力向上が目に見えてわかってきた。その面では収穫が多かった。

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学友の輪

 大学のゼミ仲間が、面白いほど、月を追って集まりの輪を拡大している。そこには過去からの豊富な話題と、むかしから酒好きだったという共通点があった。

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第3回目のエッセイ添削教室の講義・予定

 世に発表しても、読み応えのあるエッセイは、『読み手に興味を与える書き方」に徹すること。提出作品(9作品)を引用しながら、基本的なコツと秘策とをレクチャーする予定にしている。

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第2回のエッセイ添削教室

 作品提出者は10名、聴講生は1名で、25日、新橋生涯センターで行われた。人生経験豊かな受講者だけに、読み応えがあった。総評としては、文章力では前回に較べてレベルが上がっていた。全作品がスムーズに読めた。

 それぞれの作品の講評を記しておく。

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70歳で、ヒマラヤ・マナスル(8163メートル)にチャレンジ

 学友から唐突に電話が入った。「70歳でヒマラヤの8000メートルに登るひとがいる。会社のもと先輩だ。小説に書いてみないか」という内容だった。いま新橋の酒場で、そのひとと一緒に呑んでいるからといい、電話を代わった。

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第2回エッセー添削教室・11作品の提出

 7月25日(火)13:30~15:30 生涯学習センター(JR新橋駅下車 烏森口徒歩3分)で開催。作品提出者は10名で、11作品となった。下読みした総評として、過去の人生がじんわり浮き 出てくる、読み応えがあるものが多い。

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昭和30年、40年代の酒場街が、わが住まいの近くに残っていた

 学友3人が私の住む下町に集った。1人は大学時代に高円寺で、焼いも屋のバイトをしていた。卒業後は日本電信電話公社、NTTの幹部にまでなった。彼にはどこか泥臭さがある。それが魅力である。彼に良く似合う店ということで、京成立石駅裏の繁盛店の『うちだ』に招いたのだ。

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