第12回『元気100エッセイ教室』作品紹介
受講生にはつね日頃から、『隠したいこと』『言いにくいこと』『過去にしゃべったことのない失敗』などを書いて欲しい、といっている。自慢話は日経新聞の『社長の履歴書』に任せればよいのだから。もう一つ、孫の話は避けて欲しい、と。
最近、あることに気づいた。受講生どうしが酒席で、旧知のように語り合っているのだ。
提出するエッセイは本音で、自分の心を裸にし、恥部に触れるところまで書けるようになってきた。失敗談ほど、講師や仲間から高い批評を受ける。良い作品だと言われる。とりもなおさず、それは作品を通して、筆者の人間性を知ることになる。
もしも自慢話、鼻持ちならない話題、過去の出世物語などだったら、面白くない相手になってしまうはずだ。
相手の人間性を知れば、『胸襟を開いて語れる』、相手の考え方を知れば、『警戒心を取り払って語れる』という交友関係につながってくるようだ。
60歳過ぎて、相手の腹を探ることなく語れる。そこには新たな人間関係が生まれる。学生時代以来ではなかろうか。
今回の作品批評も、自分の恥部をさらけ出したり、心をのぞき見たり、諸々の失敗が盛りだくさん。読み手には興味深い作品ばかりだ。