第9回 「元気100エッセイ教室」の作品紹介
小説やエッセイをよく読む人は、『自分でも、このくらい書ける』と思ったり、口にしたりする人がいる。実際にペンを持たせると、まず書けない。一作くらいはまぐれで書けても、後にはつづかないものだ。
プロ野球のテレビ観戦で、ピッチャーの癖、打撃のフォーム、打球の処理など、ベテラン評論家なみに語るひとがいる。実際にグランドに立たせてみると、球はまったく打てない、走れば足がもつれてベース前で倒れてしまう。ある意味で、読書家はそれに似ている。読む目は肥えているが、書くことはダメなのだ。
創作はつねに書き続けることにある。当教室では、毎月かならず一本はエッセイを書く。良い打球もあれば、凡打もある。打ち疲れもある。それでも書き続けることで、他人が読んでくれて、なおかつ感動する作品が効率よく書けるものだ。