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学友会5人は待合せ場所や約束時間で、折々、不本意ながらずっこけが起きていた。前回はヤマ屋の連絡ミスから、1名の不参加を出してしまった。ミスを引き起こした張本人のヤマ屋は、このたび念には念を入れ、「11月29日だぞ」と全員に出席の再確認をおこなったようだ。つまり、万難を排したのだ。
今回も隠されたアクシデントが発生しているが、文末に『お詫び文』として掲げている。
ヤマ屋は、日暮里から北千住にむかう快速電車に乗った。車窓は日没の情景で、夜の帳が下りはじめていた。かれの真横には、20代の女性が白人男性と腕を組む姿があった。彼女は満足な英話もしゃべれず、ひたすら「アィシー、アィシー」とうなづくばかりだ。欧米人と連れ添えば、優越感を覚えるのか。まわりの人間が、凄い、と見てくれる。そんな妙な錯覚をもった女性に思えて仕方なかった。
白人男性は日本にきても、会話が赤子以下の東洋女となると、知識の吸収にもならず、面白くもないはずだ。それでも笑顔で応対する。これも男の下心が見え隠れしているように思えて仕方なかった。
それ以上の詮索する余裕もなく、北千住駅に着いた。広い改札から一歩街に出ると、まだ11月末なのに耳にはChristmas・ソングが流れ、目にはツリーが飛び込んできた。なぜ、こうも1ヶ月余りも早くから、街なかをChristmas関連で騒々させるのか、不可解だった。
Christmasはキリスト教の宗教的な催し物だ。12月22日頃ならばわかるが、なにも街なかで騒ぎ立てる必要はないと思う。別段ナショナリストではないが、ヤマ屋には日本人の異常な姿に思えるのだ。
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