32回「元気エッセイ教室」作品紹介
エッセイ作品では一般的に会話文が少ない。私はできるだけ、会話を入れなさいと指導している。
上手な会話文の挿入は読者を引き込むうえ、登場人物が立ち上がってくる。散文において、会話の効果は高いものがある。小説でもいえるが、上手い会話は文章を生き生きさせる。
「会話文」は、「話しことば」とは違う。ここが最も押えどころだ。
日常会話をそのまま文字にすると、ダラダラと冗漫な会話の連続になる。必要で、外せない、限られた会話文のみに限定することだ。
会話文の技法(コツ)として
①ムダな言葉は書かない。とくに時候の挨拶、別れのことばは省略する。
おはよう。暑いですね。さようなら。お元気でしたか。久しぶりですね。
②会話のなかで、説明文を展開しない。
作者の説明が会話で入ると、読者が遠のく。
④読者が予想しなかった、会話を連ねて行く。
⑤会話から、人物の動作や心理がわかるように書く
⑥双方の意見が違う。対立する。それを会話にすると、良い流れがうまれる。
これら①~⑥の項目について、会話文の実例をもって説明した。
今回の作品紹介は、心に響くもの、国内外の物珍しい体験、旅行先で心痛むもの、過去に遡って両親を想う懐古の情などと、幅が広い。他方で、日常の些細な出来事だが、一気に読ませるもの、動物、植物との心底からの触れあいの作品が並ぶ。