第25回 『元気100エッセイ教室』作品紹介
今月のレクチャーは、「味のある文章で、エッセイを読ませる方法」という、前回の続きだ。
日常些事なエッセイでも、読者を魅了させる名文が生まれる。読む人に深い感銘を与えられる。それには表記することばが正しくて、「この一行は考えられているな」と読者に思わせることだ。そのコツを身につけるために、と具体的な学び方を示した。
・感情表現(怖、好、厭、昂、安、驚など)の喜怒哀楽の語彙を増やす。
・類語を上手につかう。
・反対語とか、反復とか、対比とかの言葉を組み合わせる。
・名文章家の作品で、「うまいな」と思ったら書き取っておく。使ってみる。
『名文は一夜にしてならず』と説明した。
10月度の作品は、日常生活から選んだ素材で、切り口の良い作品が多かった。失敗談から、本人は真剣だから随所にユーモアを感じさせる。それら作品に出会えると、読み手に一服の憩いとなる。
幼い頃、青春時代に戦争と関わった世代には、心に戦争の陰が残っている。それらがモチーフになった作品も幾つかある。書くこと自体が記録として価値ある作品となる。