作者紹介:シニア大樂「写真エッセイ」講座の受講生です。
1951年長崎県生まれ。1975年に三菱重工業㈱に入社し、2000年から6年間はフィリピンに駐在勤務しています。2011年9月に定年退職しました。
ユーモアやジョーク愛好家とともに「ジョークサロン」を結成し、20年以上にわたり、笑文芸作品を持ち寄り、発表する会を楽しんでいます。
いい夢をみよう 野本浩一
自宅から蒲田駅まで、往復8000歩の散歩には、いくつもの楽しみがある。妻と会話しながら、暖かい日差しを浴びるのは楽しい。
散歩道に沿った店舗のショーウィンドウを見るのも楽しい。初めてのお店を覗くと、思いがけない発見や出会いがある。
東急池上線・蓮沼駅から、徒歩1、2分の「プロムナード蓮沼通り」には『Native Rock』がある。昨年の暮れ、散歩を始めたころに見つけた。その時はアンティーク小物を売る店なのだろうと思っていた。年が明けて、遊びやゲーム関連の品がないか、と覗いた。
それがきっかけで手作り皮製品の店だと分かった。店内には財布、バッグやベルトが所狭しと置かれている。
店主の永木貢さんと話が弾んだのは、彼が昭和50年6月生まれと分かった時カラだ。昭和50年は私が社会人一年生になった記念の年なのだ。
そんな偶然もあり、私が今まで見たことがないもの、ある物を買った。それがドリームキャッチャーという、アメリカインディアンのお守りだった。
大きめのリングに蜘蛛の巣状の網目があり、悪夢を捉え、良い夢だけを届けるという。天井や壁にかけて飾ると、夢がかなうらしい。その名前に惹かれて、2個買い求め、1個を受験生の甥にプレゼントした。
今春、その甥は無事に合格した。永木さんに合格報告をすると、にっこり笑ってから、新作のドリームキャッチャーを見せてくれた。数年前には、結婚式の引き出物として、100個近く作ったこともあるらしい。
「皆さんに、いい夢をみてもらいたいですね」
久しぶりに覗いた6月4日は、彼の誕生日の翌日だった。
「これが、僕の一番のお気に入りです。こんな大きなものは、滅多にありませんよ」
特大のドリームキャッチャーは、どんな夢を届けるのだろか。
店内に飾ったままで、誰の手元にもいかないのは、勿体ない気がする。
撮影日時 2012年6月4日 蓮沼:Native Rock
【関連情報】
「プロムナード蓮沼通り」にある『Native Rock』
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東京都大田区西蒲田7丁目34-6
営業時間
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