28回『元気100エッセイ教室』作品紹介
冒頭の30分は毎回、「作品作り」の基本レクチャーをおこなっている。届いた作品を一通り読んでから、講義する内容を決めている。
今回は「比ゆ」を取り上げてみた。比ゆには大まかに2種類ある。
【直喩】
「あたかも」「さながら」「まるで」「ようだ」「みたいだ」で、表現されるもの。
【隠喩】(比ゆだとはっきりわかるように、表面に出さない)
「眉は三日月」「黄金色の稲穂」「疲れたネクタイ」「落葉の船」という類である。
比ゆは成功と失敗とに極度に分かれやすい。使う場合はしっかり吟味することが大切だ。比ゆが効果的だと、文章が光る。反対に、しっくりこない比ゆ、手垢のついた比ゆなどは作品の価値を下げたり、駄文扱いにされたりする。
作品の評価を下げてしまう、比ゆとは。
① 手垢がついた比ゆ
「抜けるような青空」「海よりも深い愛情」「山のような大波」「りんごのような頬」「借りてきた猫のようにおとなしい」「鬼みたいに怖い顔」
②大げさな比ゆ
「水晶のような瞳」「噴火口のようなニキビ」「心臓が破れたようだ」「冷酷な女だ」「透き通った肌だ」
創作とは自分の言葉で書くもの、描くものだ。「比ゆ」も自分の創作であるべきだ。借り物の比ゆは、作品の価値を落としてしまう。
28回目となる、エッセイ作品を紹介したい。今回は奇抜な題名が目立った。『爆弾のオミヤゲ』『墓場への近道』『ムール貝のバカ喰い』『ついてない』などである。こうした題名に出会うと、どんな内容か、と興味が深まるものだ。
