RCC(中国放送)3月13日(土) 「頼山陽著『日本外史』は歴史書か、戦記小説か」=穂高健一語る
RCC(中国放送)において、3月13日(土) 一文字弥太郎の週末ナチュラリストで、朝9時05分から『穂高健一の「幕末・明治・大正の荒波から学べ」が放送されました。☎インタビューで受け答えです。
当番組の私は月1回のレギュラー・シリーズです。昨年4月から、ちょうど1年になりました。
この回は、「頼山陽著『日本外史』は歴史書か、戦記小説か」というタイトルです。
放送のあと、「ポッドキャスト」が公開されました。
趣旨は、「日本外史」は武家の盛衰史です。幕末に広く愛読されました。なぜ、愛読されたのか。RCC放送では、そこらを中心に語っています。
「日本外史」は、文章が簡素明瞭で、かれいな描写力と会話文ですから、ハラハラ、ドキドキ、一気に読めます。現代でいえば、小学5~6年生の学力(漢文)があれば、原文は漢文ですが、当時は「四書五経」の漢文を勉強していますから、楽に読めました。
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明治時代から太平洋戦争の終了まで、多くの人に読まれた。RCCでは明治からは時間の制約で語っていません。そこの概略を記しておきます。
明治政府は「日本外史」「大日本史」の皇国史観を利用します。天皇崇拝、天皇権力を利用して、軍事強化、教育勅語の制定へとむかいます。
明治、大正、昭和の初期へと、皇国思想が「絶対正義」となります。天皇の絶対権力を疑うこと自体が、犯罪者で、国賊になります。
「天皇を奉じて、命をすてて米英を撃つ」。国民男女を問わず全員が戦う、若者の特攻隊、祖国のために戦う以外、日本人の生き方はない、という皇国史観が全国民に行きわたります。
結果として、大平洋戦争では数百万人、アジア諸国まで入れると、数千万人の犠牲を伴いました。
昭和20(1945)年の太平洋戦争の終了をもって、「日本外史」「大日本史」の皇国史観が完全に排除されました。
と同時に、大和・奈良・平安時代から『朝廷』を牛耳ってきた公家・貴族・華族の制度も完全に消滅しました。
存続するのは皇族のみに限定されました。
戦後は、新たに「人間・天皇」および「象徴天皇」という、日本人の国民が支持できる皇室観へとかわりました。平成さらに令和の時代へと歩み、いまや国民と直接向かい合う天皇となっています。
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