A075-ランナー

娘に刺激されて

 きょうの走る足の筋肉は、まるでハイキング・モードだ。

 二日前のことだった。次女(既婚)と女峰山に登る予定だった。台風接近による大雨予想から、奥日光ハイクに切り替えた。奥湯元から、戦場ヶ原、小田代が原、西の湖、中禅寺湖まで、娘と歩き続けた。

 ハイキングなれした足は、急にランニングモードに帰れないものだ。
 きょうの次女は42キロのフルマラソンに出場している。スタート直後は、きっと足が重かっただろう。

 首都圏を吹き荒れた台風の嵐は昨夕までだった。今朝は、雨雲はすっかり消え、台風一過の青空が広がっていた。中川護岸道路の土手沿いの葉桜がまだ強い風にゆれている。

 戦場ヶ原の昼食の情景がよみがえった。ベンチに座った娘から、フルマラソンが俎上に上った。「軽く流してくるよ」と娘は話していた。
 きょうの次女はこの同時刻に、娘は42キロの予想タイムとペース配分を考え、ゴールにむかっているさなかだろう。負けず嫌いの性格だ。間違いなく記録にむかって走るに違いない。

(太腿が張っているな)
 こんな気持ちで走っていたら、ますます娘から遅れを取るな、と自戒した。娘に刺激されて、スピードを意識してみたが、すぐに呼吸が乱れてしまった。
 

「ランナー」トップへ戻る