A075-ランナー

今年最長の14キロの距離を走る

 昨年末には、フルマラソンの自己新を狙った、スピード練習のインタバールをくり返していた。調子は上向きだった。ある日、足に馴染んでいない真新しい靴(スーパーの安っぽいもの)を使った。踵(かかと)の痛みがきた。
 それでも翌日にはロング走だと決め込み、港区・台場まで走った。帰路、江東区の夢の島の清掃工場横で、激しい踵の痛みに襲われた。南葛西から荒川上流の四つ木橋までは、もはや身体障害者なみで、歩いてきた。
 

『焦りは禁物』よく知られたことわざだが、心ははやってしまった。静養せず、年明けからは勝田マラソン(1月下旬)に向けて練習をつづけた。とうとう10キロも走れない状態に陥った。

 勝田マラソンは逃したが、佐倉マラソンがあるさ、と心は先に飛んだ。今年の佐倉マラソンのランナー募集パンフレットには、私の写った写真が使われている。ここはなんとしてでも出場だと、意思貫徹を肝に銘じた。

 さらなる練習で決定的なダメージをうけてしまった。もはや革靴すら終日にわたって履いていられなかった。「今年の春はダメだ」と観念した。

          ランニングロードで、取材中のNHKクルーの脇を通り抜けた。7/23


 小説関係で交友のある植松二郎さん(ランナーズ・連載中)に相談してみた。丁寧なメールをもらった。

『八月末までは、10キロ以上を走らないと決め(できれば、5キロ)たまには途中で刺激を入れるため1キロほど、すこしスピードをあげる、といった練習に徹するべきと思います。ちょっとへんだと感じたら休む。完治だと思っても、夏の間は抑える。すると秋口になって、「飢餓状態」ができて、走りがぐんとリフレッシュすると思います』(原文通り)

 隠忍自重が半年続いた。週に二、三度、5、6キロていど走るが、体重が6キロも増えた。運動不足に陥ると、神経を使う執筆との精神と肉体のバランスが崩れた。不整脈が激しくなる。ここは早めに改善したいと焦りもあったが、しばらくは押さえ続けた。

 約7ヶ月ぶり、15キロから20キロを狙ってみた。14キロで、右足の踵に違和感を覚えたので、即時切り上げた。多少の鈍い違和感が生じた。またしても、不安に襲われてしまった。明日からは、また自重だ。

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