A070-TOKYO美人と、東京100ストーリー

婚約者は刑事 ②  5回連載(005 銀座)

① 【004 世田谷・岡本】からのつづき
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 井伊佳元はタクシーの車窓から、夜明けまえの空を見あげた。池袋のビル群の谷間には星がやや残るが、藤紫色に染まりはじめている。
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 かれは運転手に、その先のセーフティー前で停めさせた。まだ深夜料金で、5時すこし前だった。

 従業員専用の出入口の横には、警備会社の車が停まっている。
「老いぼれ機械め。月になんど故障したら、気がすむんだ」
 寝入りばなを起された井伊は、わずか3時間の睡眠に苛立っていた。46歳にして、この睡眠は辛い。通用口はすでに開錠されている。かれは納品口横の地下階段を降りはじめた。


「ついてないよな。このところ、たて続けだ」
 4日まえも真夜中に、『火事が発生』と警備会社から、ケイタイ電話に通報が入った。井伊が下町の自宅から急いで池袋店に駆けつけたところ、火災報知機の誤報だった。それらも遡(さかのぼ)って腹が立っていた。


全文(005 銀座)は写真、またはこちら左クリック。(印刷による読書がお勧め)


 写真モデル・奈良美和さん(コーチ/コミュニケーションアドバイザー)
 【本文とはいっさい関係ありません】

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