A025-カメラマン

「葛飾花と緑のはがき」コンクール・第一回写真の部で、審査委員長

 「葛飾花と緑のはがき」コンクールの入賞式が11月12日、「かつしかエコライフプラ」2階で開催された。主催は葛飾区。昨年度(2013)までは「絵画の部」「押花の部」の2部門で競われていた。今年度(2014)から、誰でも写真が撮れるデジカメ時代を反映し、『写真の部』がスタートした。
 私はその審査委員長を仰せつかった。

 各部門とも、郵便はがきか私製はがきに、絵画、押花、写真のいずれかを作品化し、メッセージを添えて応募する。9月30日が作品の締め切りだった。10月中旬には審査会が行われた。そして、翌月12日に入賞者の表彰式に臨んだ。

 
 授与式では、絵画の部(小学生の部、中学生の部、一般の部)、押花の部(小学生の部、中学生の部、一般の部)、そして、写真部である。
 それぞれに葛飾区長賞他5賞が授与された。写真の部では近藤宏臣さんが葛飾区長賞を受賞した。

 青木区長の挨拶では、同コンテストのテーマ『花に親しみ、緑を拡げよう』から、緑を増やし、緑を大切にした、住みよい街づくりをしよう、と強調した。その上で、受賞作品はどれも素晴らしいと誉めたたえた。
「今年度は応募者が3部門で1700点を越えました。ここ数年は漸増しているが、今年度からさらに大幅に増した。これは区民の緑にたいする関心度が強まっている証しです」と述べられた。

 各審査委員長から、それぞれの部門の総評がなされた。
 絵画の部は田名則子さんで日本絵手紙協会公認講師、押花の部は岡田満江さんで都立農産高校園芸デザイン科教諭だった。そして、写真の部は穂高健一である。

「写真の部は初年度であり、とくに募集要項に拘泥しました。『区内の花壇に咲く花』という条件がある以上は、その基準を満たす必要があります」
 そぐわないものは外した。葛飾区からこんな大きな富士山は見えない。だから、区内ではない。
 堀切菖蒲園や水元公園は葛飾区を象徴する花菖蒲の名所である。色彩豊かな菖蒲の花弁を上手に写し取った作品もありました。それは花壇ではないから、入賞から外しました。

 募集要項のこだわりは意外だったようだ。

「なぜ花壇にこだわったか。その理由を述べてみます」
 都会はつねに古いものから新しいものに変わっていく。文化発展とはコンクリートと鉄の世界になる現状である。鉄は錆びないために塗装する。見た目に華やかでも人工の色である。

 コンクリートの灰色は、人間の心を灰色にしてしまう。灰色とは荒んだ、刺々しいもの。だから、穏かな余裕ある心が失われていく。こうした人間だからこそ、花壇を増やし、緑と花で心を豊かにする必要がある。

 私は最近、歴史小説の取材で飛彈や信州に月に2度くらい取材で出向いています。美しい山野が広がっている。飛騨や信州の人には緑と花を守ってほしい。都会人は花壇を増やしてほしい。だから、花壇にこだわりました、と説明した。

 写真の部の葛飾区長賞である近藤宏臣さんの作品に対して、「子どもたち2人が、河川敷を思わせる場所の花壇の側で、花を楽しんでいる姿が写し取られています。緑と人間のかかわりをしっかり表現しています」と評した。

 来年の応募者は、単純に美しい花を撮るのでなく、「人間は人間に感動する」のだから、何らかの方法で写真のなかに人物を取りこんでほしい、と期待とアドバイスを語った。


 写真:青木葛飾区長

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