A025-カメラマン

大寒でも、楽しめる井の頭恩賜公園=写真で散策

大寒は一年中で、最も寒いとされている。風が強いか、弱いか、無風かによって、体感温度が違う。
1月から2月にかけて寒い、と頭から決めつけることはない。

1月24日(日)は風がなかったので、井の頭恩賜公園へ出かけてみた。

 昔の武蔵野の面影が残る。無理して、残している感じかな。周りは吉祥寺など大都会だから。その落差があまりにも大きすぎて……。

 


 このパントマイムには真冬だけに、拍手を送りたい。

 ロダンの考える人、弥勒菩薩などを演じていた。

 筋肉質な半裸体だけに、女性が立ち止まらない。ちょっとかわいそうな気もした。

 芸術品、それに類似する手芸の露店が多い。世の中には手先の器用な人が多いのだな、と思わずにいられない。

 じっと見ていていたいけれど、「買う気があるのかな」と思われてしまうようで、売っている人に悪い気がして、横目で通り過ぎていく。


 こんな自然豊かな公園に自転車で、手軽く来れる人がうらやましい。

 犬のファッション誌が作れそうなほど、多種多様な犬を連れてきている。大勢のカメラマンが犬にカメラを向けると、得意げになっている人たちがあまりにも多かった。

 愛犬家はわが子同然だと聞かされているが、私には井之頭に来て、「他人に犬を見せびらかせている」と思えてならない。愛玩よりも、顕示欲かな。そういう愛犬家にはいっさいカメラを向けなかった


「画家と犬」というタイトルくらいがちょうどよい

 
 

 外国人親子が、似顔絵の画家に声をかけ、坊ちゃんを画いてもらっている。良い親子の光景だな、と思った。少年はかわいいし、アップで撮影したかったが、画家に悪いのでやめて情景写真とした。


 手繰りの「紙芝居」には、子どもがたかっていた。語り手の声の抑揚、風采から、迫力があった。何事も一芸に秀でると、圧巻だなと思えた。

 東京都公認の大道芸人たちが大勢いた。国籍はわからないが、白色系外国人がちょん髷のかつらをかぶる。それだけでも面白い。
 そのうえ、愉快なパフォーマンスと、高度な手品とで大勢を笑いのなかに誘い込む。

「笑ってもらう」「笑わせてもらう」それが一体となった瞬間こそ、芸人冥利なんだろうな。


 
 この大道芸人は上野公園で見たな。ハンサムな顔だから、大勢の人が集まっている。この芸人の特徴は、私なりの解析では、とにかく失敗が多く、それを売りにしている。

 完成されたものよりも、未熟さとか、未完成とか、失敗こそが、人の心を惹きつけるもの。この芸人はそれをよく心得ているな、と思う。

 子どもまでが「ぼくがやっても、あのぐらいの失敗だな」と思える。だから、子どもらも喜べるのかな。

 カメラを観客の方に向けると、「今度こそ、成功するわね」と期待の目を向けて、じっと見つめている。

 それぞれがごく自然体の観客である。

 迷子なの?

 親が手を放すと、幼子は自由奔放に走り回れる、広い、とてつもなく広い公園だ。探す親も大変だろうな。

 ウェスタン・ミュージシャンはギターとハーモニカで器用に、むかし懐かしい曲を演じる。時代の変化だろう、立ち止まる人がほとんどいない。
 ジャズなど知らないのか、興味ないのか。それだけ、20-30代が多い公園だった。


 外国人の手芸・露店には、だれも立ち止まらない。少なくとも、私が見ているかぎり、1人もいなかった。
 日本の英会話力は、東南アジア、アフリカの国々のなかでも、最下位にランクする。買う買わないは別して、「買い物」英会話の練習をさせてもらえばよいのに、と思った。

 その一言が出ないのだろうな。


 神田川の源流の池で、ボートに乗り、カモと遊ぶ。親子で楽しむ。

 ライフジャケットを着ていないようだ。手を伸ばしすぎて重心が傾き、転覆したら、真冬だけに、幼子は大丈夫かな、と思って眺めていた。 

 きっと水の怖さを知らないのだろうな。


 公園の露店は決して押し売れ、押し付け販売はしない。質問があれば、応えてくれる態度だ。それがとてもよかった。


 思いのほかカップルの散策が多かった。平日は老夫婦かな。

 子どもさんは近所の子と遊ばず、親の相手をして井の頭にきてあげたのだから、何か一つでも買ってもらわないと、割が合わない。

 もっと年齢が高まれば、一番高いものを買ってもらうだろうな。
  
  寒さに負けず、冬の散策を楽しもう

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