A025-カメラマン

夕暮れの都庁・北展望台は美しき無料空間=写真散策シリーズ


 東京スカイツリーが大人気だが、展望台の料金は庶民的ではない。

 無料で、高層からの美景が楽しめるところがある。それは東京都庁の展望台だ。


 若者に人気のグッズ売店がある。見るだけならば、むろんノーチャージだ。



 無料となれば、外国人は見逃すはずがない。都庁の展望台は国際色が豊かだ。

 夕方5時までならば、南展望台も行けるよ。

 会社帰りのサラ―リーマンは悧巧だから、ここで夕日を眺めて、1日の疲れを取ってから帰宅する。

 展望台のなかは、どこも飽きるところなどない。



 待望の夕焼雲のショーが始まる。


 ギリシア風の円形柱が美の空間を作り出している。

 大都心・新宿の高層ビル群が夕焼色に染まっていく。

 展望台の、どの角度から撮っても、申し分ない光景だ。

 
 


 
 景色よりも、お土産のほうがいい。それも考え方一つ。


 スマホで撮って、だれに送るのかな。それとも、壁紙に使うのかな。


 どうせ高層の美観を愉しむならば、カップルできたほうがムードがあって好い。デート代も安上がりで、恋が語れる。



 大都市・東京の西の町が夕暮れに沈んでいく。


  わずかなベンチで、無理して座らず、夕焼を楽しめばよいのに……。

 展望のない柱の影すら、好む人たちがいる。

 カップルは夕焼の町並みよりも、相手の心をのぞきたいのかな。

 


 年配者たちは安らぎの場所なのか、それとも気力喪失なのか、ひたすら椅子を温めている。


 太陽が2つに見える、めずらしい現象に出合えた。


 夕暮れの景色と、夜景とでは、どちらが良いのかしら。

 そんなふうに迷うならば、両方をシャッターを切ると良い。
 いまのコンパクトなデジタル・カメラは高性能だから。

 

 夕焼の会心の1枚も、ガラス越しに撮影できる。

 無料展望台で得したと思える人は、バー・ラウンジで夜景を見ながらビール、ワインなども楽しむと良いだろう。夜23時まで営業しているから。

 お役所なのに、なぜ深夜まで展望台を開放しているの? そう疑問に思うはず。その理由は石原都政にある。

 かつて石原都知事が新都庁構想で、「なぜ展望台を5時で終わらせるんだ。東京の美しい夜景を売りにしろ」と役人を叱り、夜景を活かした東京新名所作りを推し進めたからだよ。

 そこは役人だ。南の展望台は5時でしっかり終わらせている。痩せても枯れても、お役人根性は生きている。

(北展望台が休みのときだけ、南は23時までやっている。つまり、やればできることなんだけどな)

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