A025-カメラマン

水、雪、風、そして光=写真で観る横浜・桜木町

 建築家の芸術性が最大限の表現されるのは、
 都市空間のなかで、水を表現することだろう。



 水は平面だと無音だ。立体になると音を発する。それはなぜだろうか。
 私は幼いころからの疑問だった。いまだ私は回答が得られない。
 水はこの世で、最も不思議な存在だ。


 水際で、命を助ける。
 レスキュー隊の訓練を見て、水は怖いもの、という再認識をした。


 風を写真で表現する。それを探し求めていたら、月並みだけれども、フラッグがあった。
 冬場の風は難しい。


 水は不思議だ。天から降れば、無色の雨にもなるし、白い雪にもなる。
 なぜ色がつくのだろうか。

 白い雪は絵描きだ。どんな曲線模様でも作れるから。


 帆船の日本丸に雪が降る。
 商船大学、商船高校の訓練船として、南洋の航海をしていた日本丸だから、
 さぞかし寒い思いをしていることだろう。

 雪でけむる横浜港の情感も味わいがある。
 一年を通しても、そんなに数あるものではないし、楽しめる景色だ。

 
 雪と日本丸だけでは物足りなかった。
 「写真には人物を入れなさい」。それが私の指導要綱だ。
 やっと一人の女性がファインダーのなかに入ってくれた。

 水と太陽はいのちの根源だ。
 沈む太陽が夕日となり、町を飾ってくれる。光はいつも感動させてくれる。

 人間が作った空間がそこにあった。無風の安らぎ空間だった。

 人工の光が美の世界を作る。ただ、深い感慨で、見つめるだけである。

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