A025-カメラマン

銀座・歩行者天国の群像

昭和30年代からの高度成長期に、モータリゼーションの社会になった。一方で、排気ガスなど、環境汚染が進んだことから、1970(昭和45)年に、美濃部亮吉知事(当時)の提唱で、「歩行者天国」が銀座、新宿、池袋、浅草で初めて実施された。

 スタートは、銀座から上野までの5.5kmにわたる東洋一(実施当時は世界最長)の歩行者天国だった。現在は、銀座通り口交差点~銀座8丁目交差点の間(約1100m)である。
 
 冬場10月~3月は午後0時~午後5時.で実施されている。寒さのせいか、歩行者たちはゆったり散策を楽しんでいる。

 
 最も人出が多いのは、銀座四丁目である。

 修行僧が読経を上げている。なにかしら違和感があるが、これも日本的な風景なのか。だれもが一瞥(いちべつ)もなく通り過ぎていく。
 僧侶にカメラを向けているのは、ほとんどが外国人だった。

 東京マラソンが2月26(日)に実施される。銀座はコースになっている。それら参加者たちか、集団で、ジョギングする集団もいた。

 参加の抽選倍率が高い。となると、こんなにも、一同がそろうはずがない。首都圏を中心にマラソングループができている。そのひとつなのか。

 歩行者天国は、犬を連れた人がことのほか多い。写真を撮り慣れているのか、カメラを向けても、自然体でいてくれる。


 幼い子供たちは動物が大好きである。恐々と近づきながらも、犬がおとなしいとなると、手を出して行く。



人形のような子犬に、愛らしい少女が似合う。ちなみに、飼い主は老人である。

 セントバーナードは大勢の眼を集めていた。とても、おとなしい犬ですね、と聞いたら、老犬だと教えられた。
 その先で、大型犬を連れた女性に聞いた。
「食費はどのくらいですか、一か月に?」
「4頭で月に5万円かしら。おやつがあるから、もっとかかっているわね」

 国民年金(1人月間)の受給者と変わらないのか、と銀座のど真ん中で年金問題を考えさせられた。

 飼い主の好みなのだろうか。目にするワンちゃんたちは大、中、小とボディも毛並も違う。小型犬は流行らしい。

 犬・猫が苦手な私だが、こんなにも犬を数多く撮影したのは初めてのことである。歩行者天国は犬のファッション・ショーだったから。それが最大の理由である。

 

 銀座ファンは、何といっても、「銀座」が最先端の時代に、青春時代を過ごした人たちだ。着飾って、銀座に出てくる。それがいまもってステータスなのだろう。

 一方で、若い女性の間でも銀座が人気になってきた、という声も聞かれた。


 

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