A025-カメラマン

狭山丘陵には、華麗な「ゆり」が開花=西武ドームとなり

 うっとうしい梅雨ですが、待ち焦がれていた、ゆりの花が咲きはじめました。
 狭山丘陵(埼玉県)の自然林の一角には、広大な「ゆり園」があります。
 花の撮影は夕暮れが狙いどきです。
 6月9日の午後は、埼玉・所沢に出かけてみました。

 あやしげな天気でした。霧雨が折々に降る、陽が射す、不安定な空模様です。広大な3万㎡はほとんど蕾(つぼみ)ばかり。それでも、あっちに一つ、こっちに一つ。華麗な花弁のゆりが散見できました。

 西武球場前駅を下車すると、「ゆり園」のゲートがあります。大人1000円。ゲートからは森に囲まれた園内は見えません。
 どのていどの規模のゆり園かわかりません。それだけに、「ちょっと高いな」という印象を持ちました。

「きょうは無料です」
 受付嬢は西武直営だからでしょう、彼女は青い制服です。
「なぜですか?」
「ゆりが園内でまだ、そんなにも咲いていないからです。咲きほこったときから、入園料を頂きます」

 ずいぶん得したな、という気持ちで、ゆり園内をゆっくり鑑賞しました。

         ゆり園はすべてつぼみ。
         一つ二つと、素敵なゆりを見つけて撮影する。
         自然の森林で、思わぬところでゆりを発見するに似た、
         格別な感動がありました。


 「ゆり園」は50種類、 約45万本のゆりが密集しています。
  あと一週間もすれば、ほぼ満開になります。
  
  7、8人の職員の方々は手入れに余念がありません。
  

     静寂な散策道は、いのちを浄化してくれます。
     森林のなかに群生する花にも、
     心が向けられる余裕が出てきます。
  
     ゆりの最盛期には、多くの鑑賞者が押しかけます。
     結果、大勢の人間をみてきた、という印象が残ります
   
    「静かな時に、来てよかったな」
     そんな感慨をおぼえました。 


     1本の見事なゆりを悪戯して、撮影してみました。
     「三脚があればな、鮮明に描けるけれど……」
     そんな思いで、両脇をしっかり締めて、
     スローシャッターで撮りました。


 
6月10日より、ライトアップ(夜間入場料500円)が開始されます。その前日だからでしょう。

 広大な園内には、わずかな人だけです。友人2人、あるいは1人がちらほらでした。むしろ、視野のなかに誰もいない時間帯のほうが多かったです。

 子ども連れの方は最盛期前が懸命だな、と思いました。

 夕方になると、霧雨の重い雲が切れ、時折、陽が射しました。その夕日で、おしべ・めしべが花弁に影を映す、幻想的な瞬間がありました。

梅雨の真っ只中になると、なぜか、美麗な花が咲き誇ります。
 関東の各園のバラ、鎌倉のアジサイ、葛飾の花ショウブ、尾瀬の水芭蕉など、感動できる、花の見所がたくさんあります。
 梅雨こそ、湿っていないで出掛けたいものです。人生が豊かになります。


 1本のゆりが咲いていれば、まわりが蕾(つぼみ)でも、不思議に、快い世界に入れます。1/8秒の撮影で、取りまくつぼみを悪戯してみました。
 

 名も知らぬ、華麗な花と出会いました。


 額縁入りのゆり園を見ている。そんな場所にも出合いました。
 「梅雨こそ、華麗な花観賞の季節」
  幻想的なゆりが堪能できました。


                    PJニュースでも紹介

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