A045-かつしかPPクラブ

プラネタリウム 番組作り (中) 郡山利行

「葛飾区郷土と天文の博物館」のプラネタリウムは、1991年にオープンしました。以来30年間、わがまちのプラネタリウム番組を、作り続けられた極意は何でしょうか。


「とにかく『作り続けること』の一言です。それに勝るものはないと思います。いろいろなことを試みて、どんどん作りながら、前に進む意気込みです。
 そして『本物』を観て触れることで、感性を磨くことも大切です」と、新井さんは、大変な努力が必要なことを、30年の歴史をかみしめる口調で語られた。


 30年間で百数十本の番組を作り、今でも最新の情報をもとに作り続けて、観客に宇宙との一体感を楽しませてくれます。国内はおろか外国でも例を見ない、他社の配給作品を上映しないプラネタリウムです。

 わがまちプラネタリウムだけの、もう一つの誇るべき特徴は、番組上映時の天文職員による、生の解説です。
 観客と解説者が、映像を見ながらの一体感による、臨場感が得られます。
「解説者は、台本なしで、客席も見ながらアドリブも交えて、語るんですよ」と、館内の空気感を大切にしています。

 新井さんは、プラネタリウムの番組制作ポリシーを、次のように熱く語った。

 ・番組は、大人向けです。まず大人が夢中になり、お子さんに言葉で伝えてください。

 ・主役は星であり、宇宙です。キャラクターや物語には頼りません。

 ・常に海外へも目を向けて、国内のプラネタリウムの常識にとらわれない番組を目指します。

 ・プラネタリウムは『番組の上映装置』ではなく、『宇宙のシュミレーター』であると考えます。

 ・番組は『作品』ではなく、『お客様と解説者が共有する、時間と空間』であると考えます。
 番組を自分たちで作らなければ、こんなことできません。


  
 2020(令和2)年10月現在、番組を上映している、光学式とデジタル式のプラネタリウムを組み合わせた、葛飾オリジナルの設備で、コニカミノルタプラネタリウム製の、≪ジェミニ・スター Σ Katsushika≫です。

【プラネタリウムの宇宙】

 番組の映像の美しさを見て、全天CG映画と間違える人もいる。


 直径18メートルのドームスクリーンで、座席は140席あり、スピーカーシステムは英国製である。


 
 星空に包まれ、宇宙を飛びまわる体験ができる、プラネタリウム。当館でしか観られない映像を見に、国内各地からの来客もいます。

                      【つづく】 

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