自粛の葛飾はいま、「雇用助成金の申し込み12万件対して、わずか50件しか通っていない」 =蘭佳代子
葛飾区在住の友人とラインをしています。
その友人Aさんは、会社を経営しています。インタビューしますと、
「10万円の給付金は、未だになんにも支給されていないし、『雇用助成金』にしては12万件対して、50件しか通っていない」
と明かしてくれました。
「えっ、まさか」と声を上げてしまいました。
もうひとりの友人Bさんはシングルマザーです。4月から私立中学に通う子供がいます。私立中学ではオンライン授業を取り入れているそうです。
さらに、その私立中学では、大量の学習教材が郵送されてきて、数学と英語は既にオンライン授業始めているとのことです。
外出自粛の約60分ていどで、周辺の情景を拾ってきました。
子供連れで散歩中の光景は、ほっとさせられます。
江戸川・河川敷にて、思い思いに過ごしている。
昼13時頃ですが、若者3人が河川敷で遊んでいたり、親子や高齢者夫婦が散歩していたり、ランニングをしている人、思っていたよりも人が多くいました。
金町駅南口のスターバックス。店内はいつも座席が埋まっているほどの人気店。ドリンクのテイクアウトも行っていないのが意外でした。
いつもはたくさんの自転車がとまっている
新宿交通公園内は閑散としている。
交通遊具の貸し出し中止だけではなく、人気のミニSL機関車も走っていない。担当者はどうしているのかしら。
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友人Cさんですが、国際結婚をしてイギリスに住んでいます。今日、誕生日でしたので、メールしたところ、『イギリスはロックダウンしていて、1ヶ月以上外に出ていません』という返信です。
日本は自粛とはいえ、法的な厳しい外出規制していない。それが精神の衛生面で助かります。
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【穂高健一のコメント】
厚生省HPより『事業主の方は、雇用調整助成金を活用して従業員の雇用維持に努めて下さい』まさに、「仏作って魂入れず」の見本です。
筆者はAさんに電話取材のみですが、『雇用助成金』にしては12万件に対して、50件しか通っていないという、これが事実とすれば、国も自治体も、「人間のいのちは大切」という別の裏の恐ろしい顔が見え隠れします。
東京都のトンカツ屋の主人が自殺されました。もし、ドイツ並みにスピーディーな助成金や支援がなされていたら、こんな悲劇は生まれなかったでしょう。法政大学、慶応大学、日本大学大学院までも進まれた方の人生末路としては、あまりにも気の毒すぎます。
霞が関の厚生労働省の本省職員は、きっと一人も雇用調整助成金の対象者がいない。給料は国家予算からもらえる。だから、庶民の悲痛な叫び声など、他人事(ひとごと)かもしれない。「国民に寄り添った政治」とは、口先だけだ、と批判されるべきものです。
日々に聞かされる「医療崩壊」まえの医師の安全性も重要です。ですが、同様に、中小・零細業者の生命もとても重要です。
私たちが日々に商店などで接している大切な方々です。店主もいれば、フリーランスも、アルバイト学生もいます。死活問題の瀬戸際です。
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国家、自治体の職員たちは、なぜ街に出て、「社労士並みの手続支援」ができないのか。それが血の通う政治である。こんな単純な着想は子どもでもわかる。それなのに、担当大臣は「事務の簡素化で」と、それで処理できるような口ぶりの発言をしている。
それ以前に、12万件が未払いで処理されず、スピード感がない役所の怠慢という自己責任が解っていない。
歴史的にいえば、役人の怠慢はまさに苛政そのものである。