かつしかPPクラブ

わがまちの 手彫り印鑑 (下)  郡 山 利 行

 葛飾区金町4丁目の井上隆夫さんは、55年間にわたり、印鑑手作り一筋の人生である。
 

 井上さんが掘るさなかの印鑑は、ツゲの16.5mmである。


 手彫り印鑑は、次のような作業手順で作ります、と実演しながら説明していただいた。

1.見本を見せる。

2.字体を決める。

3.納期を確認する。・・・作業日数が決まる。

4.印材を研磨する。

5.字入れ。・・・印材に直接、墨を使って筆で書く。 文字は表裏反対。

6.彫刻する。・・・文字ではない所を削る。 荒彫りという。

7.印面に残った墨を、磨き落とす。

8.印面に、新たに黒か朱色の墨を塗る。

9.文字仕上げの彫刻。・・・最も大事な作業。

10.文字まわりのカス取り。・・・最終仕上げ作業。

11.完成



 作業5は字入れ(印材に墨を使って筆で書く。 文字は表裏反対)で、そして書かれた墨を落とす。細かい目のサンドペーパーで、軽くこする。

 作業7(印面に残った墨を、磨き落とす)段階まで進んできた。

 作業8は、印面に、新たに黒か朱色の墨を塗る。

 印材が水牛の黒ならば、朱色の墨となる。市販の墨汁ではだめで、少し上等の墨をすずりで、とろとろの状態にしたもの。

 それを墨本体で直接印面に塗る。

 井上さんは、修業時代からずっと、『坊主』 という名の作業台で、彫っている。


 作業9は 「文字仕上げの彫刻」である。・・・最も大事な作業で、専用の木製の印鑑固定器ごと、坊主を握りしめて、左手を固定する。

「 これからが勝負です」
 井上さんの仕上げの手彫りが始まった。

 平成29年8月に彫った、画像の印鑑は、「今までの中で、いちばん字数が多く、印材の太さからいっても、最も大変だった製品です」 と、記録を見せてくれた。 

 記録画像の右側は、井上さんが手彫りした、16.5mmのツゲ印鑑の実寸コピーである。

【 4.編集後記 】


 手彫り印鑑作りの、奥義の一端を紹介してくれた 井上さんは、「 お客さんから、望み通りの印鑑を作ってもらえたと、喜ばれたことが何度もあります。
 また、手彫りの製品にこだわって、注文して下さる人達がいらっしゃるので、それに応えるべく、これからも頑張り続けます 」 と、力強く語っていました。 

 忙しいさなかにもかかわらず、時間たっぷり取材に応じていただきました、 ありがとうございました。


【関連情報】

  井上印章店

  名称: 井上印房  井上隆夫
  住所: 125-0042  葛飾区金町4-6-2
  電話・FAX: 03-3627-3710

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