A030-登山家

優しい風景と荒々しさの谷川岳に挑戦する=大久保多世子

谷川岳(1,977m)=大久保多世子

登山日:2013年9月28日(土)晴れ

参加メンバー:L佐治ひろみ、後藤美代子、栃金正一、武部実、関本誠一、大久保
 
コース:上毛高原駅―天神平―オキノ耳―1の倉岳―茂倉岳―駐車場―湯沢駅 

 JR東京駅に6:20に集合した。6:32発のたにがわ401号に乗り、7:53上毛高原駅に到着。バスは8:00発。ロープウェイで天神平に着いたのは9:10だった。

 身支度をして9:15出発。ナナカマドの真っ赤な実が美しい。10:00、熊穴沢避難小屋の前で水分補給。[土曜日+紅葉の季節]なので登山者も多い。
 
 ここからの登りはかなりハードで、大きな石や大きな段差の連続する。「よいしょ!」と声に出しながら、コンパスの短さを実感しながら登っていく。高度が増すにつれて、登山者の数も増え、ほとんど行列に近い。
 足場の悪い所では、下山する人とのすれ違いにも神経を使う。それでも予定より早く、10:30なオキノ耳に到着した。

 隣のピークまで進んで11:50~12:20は昼食。尾瀬方面の山々や動いて行く雲を見ながらの食事は最高だった。
 一の倉岳に向かって間もなく、ものすごく急な登りが目の前にドーンと現れ、弱音をはいたら、関本さんが、
「こんなの15分もあれば登れる、登れる」
 と励ましてくれた。


 半信半疑で登ったら、20分かからなかったので、人間の足の力を見直した気分になれた。オキノ耳を過ぎたら、出会う人もまばらで歩きやすい。
 好天に恵まれ、快適な空中散歩が続く。
 山頂は紅葉の最盛期だったが、霜でも降りたのか、あまり綺麗ではない。13:00「ノゾキ」という看板があり、恐々下を覗いた。断崖絶壁のものすごい岩場があり、残雪も見られた。
「上村さんや飯田さんは、あの岩場を登ったんだよ、すごいな」
 などと、しばらく岩登りの話で盛り上がる。


 13:30、一の倉岳に到着した。13:55、茂倉岳に到着。大きなドラム缶を置いたのかと思える避難小屋があったので、覗かせてもらった。
 座った状態なら、数人は入れそう。雷や雨の日は、助かるだろう。

 振り返れば、今日歩いてきた道がくっきり見渡せる。肩の小屋が豆粒のように見え、
「こんなに遠くまで歩いて来たんだ!」
 と口々に感嘆の声をあげる。


 周りは一面笹に覆われた優しい風景に変わり、一の倉岳辺りの荒々しさとの違いに、この山の素晴らしさを実感する。
 道幅がグンと狭くなり、小石がごろごろしていて滑りやすい。しかも、両側からは草が伸びていて下がよく見えない。ウメバチソウ・ハクサンフウロ・ツリガネニンジンなどの可憐な花が緊張をほぐしてくれる。
 道なりにナナカマドの紅葉も見られ、とても美しい。そのうちに木の根が露出していてすごく歩きにくい道になり、スピードがガクンと落ち始めた。それらにつかまりながら、足場を確保し、不安定な木の根の上を進む。


「足をどこに置こうか?手は何をつかめばいいか?」
 などと繰り返すうちに、かなり疲れが出てきた。
 今回の大反省だが、私ともう1人、ヘッドランプを忘れてしまった。
「山の中で暗くなりませんように・・・」
 と願いながら進む。幸いヘッドランプを使うこともなく、17:35に山道が終わり、駐車場に着いた。

 林道をしばらく歩いて土樽駅手前でタクシーに乗り、18:10湯沢駅に着いた。お蕎麦屋さんで、反省会をおこなう。

 19:15の新幹線で帰京。一日の歩行時間が8時間30分とハードだったが、憧れの谷川岳は変化に富んでいて、とても印象深い山行になった。


ハイキング・サークル「すにいかあ倶楽部」会報№170から転載

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