A030-登山家

エベレストに2度登頂73歳で。女性世界最高年齢を更新=日本山岳会

 日本山岳会(尾上昇会長)の恒例となっている「年次晩餐会」が、12月1日、東京・品川プリンスホテルのアネックスタワー5階で開催された。全国から会員が集まった。(推定500人)。
 例年だと、皇太子殿下が出席されているし、同晩餐会は連続参加だった。ことしは愛子さまの誕生日にあたり、宮中の行事が執り行われる関係から、欠席だった。ただ、同殿下からメッセージが寄せられていた。
「殿下からメッセージが出るのは異例のことです」
 尾上会長はそう語ってから読み上げた。


 尾上会長の挨拶では、同会が公益法人になれたから、今後の発展のために、広く地域に根を張った活動を行いたいと述べた。会員の減に歯止めがかかり、若返りも進んでいる、と将来性への期待を述べた。


 渡邊玉枝さん(写真・山梨県・河口湖町出身)が特別表彰された。彼女は63歳でネパール側からエベレスト登頂し、女性最高高年齢者記録を作った。10年後の12年5月には73歳でも、中国側からエベレストに登り、自己の記録をさらに更新した。
 他にも、8000級のヒマラヤにも登攀している。
 日ごろの訓練が大切だと、受賞スピーチで語っていた。

 第十四回秩父宮記念山岳賞は、小泉弘さんで、山岳書籍のブックデザインが36年間で、500冊以上になった。その業績を評価されたものである。

 恒例の酒樽割は、参加者が木槌を思い切りたたきすぎて、酒を飛び散らし、みずから酒を浴びていた。

 この晩餐会は単に会食だけでなく、写真展、講演会、図書講演会なども同時に行われる。私と親しい、上村信太郎さんは図書交換会の抽選会で、貴重な図書二冊を入手し、「ラッキーでした」と語っていた。
 一冊は日本山岳会初代会長の小島烏水著『山水無尽蔵』(明治39年隆文館発行、日本山岳会創立翌年)。もう一冊は第三代会長小暮理太郎著『登山の今昔』(昭和30年山と渓谷社発行)である。
 上村さんは、国内外の山岳登山史を研究し、その分野でも著書が多数ある。それだけに、とても、貴重な本という認識が強く、「今後の執筆の参考文献として役立つ」と語っていた。

 帰路は2人して品川駅近く「ルノワール」に入り、当たった2冊の書籍を含めた話題、今年の槍ヶ岳登山、たがいに執筆の取り組んでいる内容など、1時間余り語り合った。


 新入会員の参加は48人で、波多野あをいさん(京都出身)が代表挨拶をしていた。登山の動機は、旅客機からK2をみて、素敵だ、あんな山にいつか登りたい、と思った。と同時に、人生のライフワークとしていく、という意志を語られていた。

「登山家」トップへ戻る