A030-登山家

日本山岳会・年次晩餐会が盛大に行われた=皇太子も会員として参列

 日本山岳会の晩餐会は年間の最大行事である。12月5日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪の大宴会場「飛天」で、「平成21年度年次晩餐会」が行われた。同会員である皇太子を含めた、約500人強が参列した。

尾上昇会長は挨拶で、4つのプロジェクトを紹介し、それらが理事の若返りで進行していると述べた。
「登山者の若返り」プロジェクトでは、共鳴するものがあった。
 昭和30年代、40年代の登山ブームが去ってから、山岳で若者をほとんど見ることがなかった。ここ数年は山で、20代の男女の登山者を見かけるようになった。高尾山などはずいぶん若者が多い。山の魅力を知り、つねに山に登る習慣が身につけば、登山人口が増える。それがやがて日本山岳会の若返りにつながり、活性化されるだろう。


 晩餐会では、同会員で最も親しい山村信太郎さん(すにーかー倶楽部・代表)、栃金正一さんと同じテーブルだった。

 年次晩餐会は夕方6時からだが、午後2時から海外登山隊の報告会があった。私は他の取材で参加できなかった。2人は参加していた。
「報告会の休憩時間。席が空いていたので座ろうとしたら、パンフレットが置かれていた。それで止めた。皇太子の席だった。座らなくて良かった」とエピソードとして語っていた。

 皇太子も会員の一人で、他のメンバーと同列。畏(かしこ)まった特別なスピーチもない。どこまでもプライベートだから、リラックスできると思う。毎年楽しみにされているようだ。晩餐会の行事の一つ、壇上で「たる酒」開きでは、飛び入りで法被を着て、木槌を持つ。にこにこされていた。

 会場では、同期の諏訪さんと挨拶を交わした。同会・千葉支部で活躍されている。「(穂高健一ワールド)サイトを見ていますよ」という。燕岳の写真集の話題に及んだ。HPを見てくれているとは、うれしいものだ。「機会があったら、一緒に登りたいですね」と話す。同期では松島さんも、総務会で頑張られている。

 小倉薫さんは同会の大御所となった、女性登山家だ。最近はTVと新聞にはよく出ているという。来年2月12日には、小倉さんの主催する女性山岳会が30年?(35年かも)の節目だから、田部井さん(女性登山家)などにも声をかけ、講演会などの催し物を行う。取材に来てね、といわれた。
 私が書いた小倉さんの記事を、「机の前に張っているわよ」と話していた。

 席に戻ると、栃金さんが「小倉さんは、森林インストラクターの面接官だった。きのう合格通知がきたんですよ」と話していた。

 同じテーブルでは、「日本百名山」の著者・深田久弥の息子・深田森太郎さんと一緒した。新聞記者を経て、現在は石川県・白山市で、「環白山保護利用管理協会」の会長などで活躍されている。日本百名山は半分ほど登られたと話されていた。

 晩餐会では、大好きなたる酒を飲み、歓談し、一方で「このところ山に入るのが少ないな」と自分をかえりみていた。


ふたりの「しんたろう」さん。
      左・上村信太郎さん  右・深田森太郎さん  

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