のこぎりの魔術師・東京都公認ノブンアーティストの魅力
令和2年1月の最初の3連休となった1月12日(日曜)に、北千住の東京労音・東部センター(地下)の演奏会に出かけてみた。
大工道具のノコギリが楽器になる。のこぎりキング下田は、それを奏でて観客を魅了させてしまう。
最初の曲は「月の沙漠」、ラクダに乗った王子と姫が舞台に現われたかのように、童話と一体になれた。
19世紀半ばのアメリカ合衆国の歌曲・作曲家「フォスターのメロディー」は、日本人のこころにもひびく。
東京労音の地下会場の『チュービート コンサートWithのこぎりキング下田in北千住Vol.6』は観客が満員で、みな聴き惚れていた。
「チューバ」の河合勝幸がリーダーである。
岐阜県大垣市出身。日本大学芸術学部卒業後、東京ディズニーランド、デキシーキャッスルを経て2004年、薗田憲一とデキシーキングスに参加。
2000年よりチューバを中心とした「The Tubeat」の活動を開始。コンサート、ライブ、テレビ、ラジオで活躍中である。
クラリネットは田村麻紀子。主役となる美しいメロディーを奏でていた。
田中愛子は、ピアノ演奏中に、時おり、親しみのあるえ顔をむけてくれる。
のこぎりキング下田の曲目は「花は咲く」からはじまり、会場の皆といっしょに「ふるさと」が演奏される。
「ディズニーメドレー」、ファンが待ち構える「ゲゲゲの鬼太郎」のラストの鉦は定番だが、可笑しみたっぷり。
軽妙な「聖者の行進」には、聴き手もからだがごく自然に揺れる。「なんとなく何となく」と演じられる。
ソロで歌う田村麻紀子は、早稲田大学卒業である。
のこぎりキング下田は、早稲田大の応援団出身だから、後輩である。
ドラマーの水谷康彦は、楽しげに両手両足でドラムを奏でていた。
ギターは大沢岳生で、しばし楽譜の後ろで、顔の表情は捉えられず。それでも、物静かに弾いていた。
東日本大震災(2011年3月11日)で、大津波で命を失った福島県いわき市の鈴木姫花(ひめか)さん(当時10歳、豊間小4年)の描いた灯台の絵がハンカチになったのです。
少女は将来の夢がデザイナーでした。塩屋埼灯台(いわき市)を描いた絵が、2009年度の「灯台絵画コンクール」(燈光会主催)で見事入選しました。
「鈴木姫花さんのハンカチ」の由来を説明するのこぎりキング下田。
2012年11月、姫花さんの絵を京都のデザイナーに託し、ハンカチにしてもらったそうです。姫花さんの両親が「お世話になった人たちへの感謝の気持ちに」と自費で約1000枚を作成し、塩屋埼灯台のふもとの土産店(山六観光)で販売されています。その売り上げがいわき市に寄付されているのです。
「亡き少女の稼いだお金が、浄財となっています」と下田は紹介する。
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