ジャーナリスト

外国人と、どのように向かい合って生活するか=安達太良山で考える

 平均年齢30代の若者たちと福島・安達太良山に登った。若いっていいな。(私から見て)。将来は若者たちの財産だ。山道を登りながら、この国の先々を考えてみた。

 最近は地方のみならず、東京など首都圏にも、ずいぶん外国人の姿をみる。国際化とはなにか。日本人が外国に出かけていくことでなく、大勢の外国人と一緒に暮らすことである。日本が多国籍国家になる。これが国際化だと定義できる。

 単一民族で育ってきた日本人には、多国籍には馴染めないひとも多いだろう。しかし、少子化で、減少していく人口を補ってくれるのは、外国人である。廃れていく町村、錆色のシャッター街が息を吹き返すのも、もはや外国人の力をおいて他ならない。


 たくさん出産してよ、若者よ、結婚してよ、と叫んで、行政府が金をばらまいても、潮流はかわらない。

 外国人の力を借りて、地域社会が活性化して豊かになれば、その富は公平な分配をしなければ、ならない。併せて、社会への責任と義務も、日本人と外国人と分担をする。
 公平性をもっと推し進めると、外国人にも政治的な発言の機会を与える必要がある。選挙権(公民権)まで与えないと、政治、経済、文化の面で公平ではなくなる。

 私たちがいつまでも単一民族主義の政治にこだわり、無視していると、外国人による公民権運動が起きてくるだろう。

 外国人からみれば、日本で家屋や土地を購入し、地域社会になじんでいるし、利益を与えているのに、なぜ公民権がないのだ、と不満と不平が昂じてくる。こうした不自然な姿から、軋轢(あつれき)が生じてしまう。
 欧米の歴史や現代をみていると、それがよくわかる。


 
 自然界で、最近、よく感じる現象がある。本州で登山をすれば、2000メートル級の山々から高山植物が消えた。熊笹が多い。2500メートルでも、春・夏の彩り豊かな植物は目にする機会がほとんどない。
 楽しめるのは広葉樹が色づく紅葉くらいになってしまった。

 それが生態系にも変化をきたし、シカやイノシシが急激に増えた。この動物たちにとっては、温暖化は住みやすい環境かもしれない。

 海洋ではかつて沖縄、奄美列島にしか見られなかったサンゴ礁が、本州の南端から北上してきている。温暖化で海水温が上がったからだという。海藻や小魚が棲みずらいので、それを餌にする近海魚が激減している。
 数十年前まで、日本人の主食は新潟コシヒカリ、仙台ササニシキなどがもてはやされていた。いまは、北海道米が美味しいという。
 私たちは小学校のころ、北海道は米がとれない地域だと教わってきた。品種改良があったにせよ、米作地帯が間違いなく北上している。

 温暖化で、単一民族の日本人がこの日本列島からしだいに少なくなっていく。かたや、東南アジアの亜熱帯のひとたちが、日本列島に上昇してきた。

 少子化に対して、住居、保育所、給与所得などといろいろな理由はあるけれど、その根底には、温暖化の影響だろう、と類推できる。これは感覚的で非科学的だが、自然界はすべて論理的にとらえられない面があるのも事実だ。

 温暖化による動植物の変化は、人間も動物だという単純な思考からすれば、決して免(まぬが)れない。丸い地球のうえで、南から民族移動がおこなわれている。年間平均温度で4度低い時が氷河期だった。動植物が地球規模で入れ替わった。
 いまや、温暖化から地球上で民族移動が進んでいるのだろう。

              ☆

 わが国で過疎化が問題視されているが、一次産業、二次産業には若者の比率が極度に少ない。若者を見たければ、行政の職場にいけば、たとえば市役所、町役場、村役場のオフィスにいけば、男女を問わず若者の顔がずらり見られる。
 税収入から給与をもらえるひとたちの顔だ。

 しかし、そこから一歩、戸外に出ると、高齢の人たちばかり。これが現実の日本の姿である。

 日本列島で、若い活気のある外国人と共有して住むならば、より質の高いひとたちに来てもらいたい。祖国で役立たない、職がないから、とりあえず日本で日雇い、日銭稼ぎで日本に流れてきた外国人は望まない。

 日本列島で人口確保で、質の低下にならない。そのためには何をするべきか。

 ここらは真剣に考えておかないと、山から高山植物がなくなるように、海岸に魚が棲まなくなるように、あっというまに、5年、10年単位で、日本は美しさを無くしてしまうだろう。

 質の良い外国人の確保となると、かれらに選挙権と永住権を与えなければ、望んで日本には来てくれないだろう。白、黄、黒の行政長がいる。それ自体に違和感を覚えない。そんな法整備が必要な時代になってきたようだ。
 
 福島県・安達太良山から二本松に下山した。こんな提言から、賛否両論で、老若男女を問わず、語り合ってもらいたいものだ。

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