A010-ジャーナリスト

町おこし・村おこし傾向と対策、学びたい『おかげ横丁』=三重県・伊勢市


 『赤福』といえば、「伊勢参り」と同一用語のように、有名である。

 江戸時代からの老舗だ。店内で、団子とか、ぜんざいとか、喫食できる。

 人気店の割には、接客がとても行きとどいている。

 有名店は「胡坐(あぐら)をかかない」

 これが、町おこしの基本だ。


 若者に人気がある。どのように若者を呼ぶか。
  
 すべてにおいて、最優先する。

 若者が来ない町はやがて、その勢力を失う。

 かつて全国は温泉街が流行っていた。

 結果として、若者に見捨てられ、高額のホテル・旅館がなだれを打って衰退したように。


 ネーミングはとしも重要だ。

 『これよりおかげ横丁』

 訪問者に感謝の気持ちがある。

 心から感謝は、まず形から入ることだ。

 ここでわかるのは、日本語である。

 横文字を使って、得意がっているのはしょせん借り物だ。

『~ランド』などは、メディアから見放されると、凋落の一途だ。



「常夜燈」とか、『道中安全』とか。かつては旅人に欠かせない道案内だった。

 若者を大勢呼ぶ町。そこにはさりげなく江戸時代の言葉を組み込んでいる。

 長い伝統は決して廃れない。ここらは抑えどころだろう。


  各市町村のお役人や商工会の(町おこしの旗を振る)が、ここで立ち止まり、腕ぐむ。

 この常夜燈から、なにを学び取るか。ヒントになった。となれば、それは町おこしの本ものの感性がある。

 ここは人工の街だが、テーマが明確だ。それは江戸時代の風景の再現だ。

 ひとつ一つの店舗は、私有財産だから、何をどう作ろうが勝手だが、調和、統一がある。

 イメージは古来のものだが、すべて新品だという特徴も見逃せない。

 

 

 人間が『愛する動物』は犬猫が一番だろう。それに愉快さが加わるのが肝要だ。

 「愉快」。これはあらゆる創作、制作においても、実に難しい。

 ゲラゲラ笑うものは廃れてしまう。くすっと笑うものは長続きする。

 お笑いタレントはゲラゲラ笑わせる。すぐに消えていく。

 たとえば、寅さん、釣りバカ、というように、なんとなく滑稽が長続きのコツだ。


 最悪は、児童公園のレプリカの動物には、愛嬌もなければ、愛想もない。児童がまたがっても飽きてしまう。
 
 それとこの猫を比べてみるとわかるだろう。


 人間が生きていくうえで、食べ物が最も重要だ。

 500円の文庫本を買うのに、30分も、一時間も迷った挙句の果てに買わない。

 600円のラーメンは1-2分のメニューで決めてしまう。

 食べ物店がしっかり整っている。この要素は欠かせない。

 高校生や20代の若者が安価で食べられる、うどんなどもメニューの中にさりげなく入っている。

 若者を呼びたければ、文庫本価格で食べられる、飲食は欠かさないことだ。

 1000円台以上の食べ物が並んだ、町おこしはもはや失格だ。

 ここらの価格コントロールが、町全体でどう取り組めるか。町おこしののリーダーシップ力にかかっている。



 「神話の館」
  
 若い女性に人気があるお土産店がある。


 女性は男性を連れてくる。

 女性に「可愛い」という土産物の店舗をたくさん作るのがコツだろう。

 一店舗に入れば゜安価で複数買える。購買動機を高めている。

 「一品しか買えない」。こんな店は、わが町おこしにはいらない、と行政が言えるか。


 ごく自然にカップルがくる。

 「家族連れ」が中心に座ると、ほとんど失敗する。そうそう家族で出かける機会がないからだ。「どこか行こうか」これが若者の特徴だ。応えられるか。

 年代を問わず、「カップル」がやってきたくなる。そこに焦点を当てる。ここが最後の難関だろう。

 

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