A010-ジャーナリスト

かつしか区民大学・区民記者の養成講座①=「インタビューの仕方」実践

 情報時代とは何か。発信側と受け手との境目がなくなり、大小メディアと市民とがおなじ土俵に乗り、だれもが豊富な情報を共有化できる文化になったことだ。

 市民側が発信する媒体としてブログ、冊子、SNS、フェイスブック、ツィターなど多種多様である。これらが一堂に会するので、ネット検索で、あらゆる情報が瞬時に入手できる。
 つまり、情報化時代とは大手マスコミの独壇場の崩壊ともいえる。

 情報化時代がこの先も、いっそう進化するほどに、市民側からの発信比率が高まってくる。ただ、発信する市民側に、「記事を書く、読ませる」の基礎知識や訓練がなされていないと、独りよがりになってしまう。

 受け手側にも選択の自由が広がる。いくら書いても、写真で見せても、取材力がなく、内容が薄く、独りよがりで裏付けがなく、嘘が混ざっていたりすれば、受け手から無視されつづけてしまう。

「他人(ひと)には、より正確な情報を伝える」
 それは簡単そうでむずかしい。
 市民といえども、記事を書く上で、ジャーナリズムの技術の会得は必然である。

 かつしか区民大学では、区民が区内の情報を発信する時代がくる、その先取りで、5年前から連続して「区民記者養成講座」を開催してきた。市民記者としての基礎知識を学ぶものだ。
 講座は8か月のワンクルーで、2時間の講座が6回、1日の課外講座(7時間)が2回で、合計8回の受講となる。

 記事の書き方、報道写真の撮り方、インタビューの仕方、この3つを柱としている。

 記事の書き方は座学でもできる。インタビューは模擬演習でなく、町(現場)に出て実際に体験しないと身につかない。さらに場数を踏むことで、身に付き、上達していくものである。

 2013年度の課外活動の第1回目は、6月16日(日)、「テクノプラザかつしか」で開催された『かつしか環境・緑化フェアー』(主催は葛飾区環境課)で行った。受講生12人中10人が参加し、同大学を運営する葛飾教育委員会の担当者が3人同行した。

 集合場所の青戸地区センターで、まず30分間の基本的な知識の再確認を行った。

 混雑した会場や大会だと、割り込んでインタビューするとなると、記者は疎んじられたり、ゆっくり話を聞けないケースが多くなるのが常である。経験や肩書がものをいったりする。

 同日は雨天で、一般の参加者が割に少なかった。受講生にとっては主催者、一般参加者からインタビューを展開しやすい環境だった。
 それでも受講生にとっては、見も知らずの人を呼び止め、直接、話をうかがうのだから、「勇気」が必要である。

 インタビューは先輩にならうOJTの要素も大切である。私がまず主催者の環境課の宮川雅子さんに、代表質問をして手本を示す。
「昨年の来場者は約4500人でした。きょうは朝から雨だったので、参加者は少ないようです」と宮川さんは語った。さらにフェアーのテーマ、特徴、来年度の予定などを訊いた。

 受講生たちの個別質問に移った。そして、皆は各ブースへと散って行った

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