A010-ジャーナリスト

世界最大級『白根大凧合戦』のパレードで、白根は燃える=写真で観戦


 「しろね大凧と歴史館」で、先に大凧の知識を得ていると、『白根大凧合戦』を観戦する興味が深まると、大会関係者から教わった。

 同館に出むいた。そこでは大凧のスケールの大きさに驚いた。

 これらの大凧が舞い上がり、空中戦を行うのだ。


 『白根大凧合戦』は、中ノ口川(川幅が約80メートル)の左岸と右岸から、それぞれ大凧24畳を舞い上がらせ、絡(から)ませる。

 川面に落ちたら、こんどはからまった元綱25ミリを双方が引き合うのだ。

 つまり、綱引き合戦だ。

 25ミリのロープを作る「より師」は、麻縄を三つして編む。1本のロープが200万円強だという。

 もし自軍の綱が新品の時に合戦で切られたならば、腕前の失望と羞恥とで、もう川土手は歩けない、夜逃げしたい、自殺したい、そこまでの心境になるそうだ。

 
 現に、数か月ほど家出し、行方をくらました、より師がいたという。



 同館の1、2階には、日本のみならず、世界中の凧が、これでもか、これでもか、と数多く展示されている。
 
 他方で、多種多様な凧には驚かされる。見応えは十分ある。

 作家の知識欲から全国の博物館には、人一倍、足を運んでいる。全館が「すごいな」とつよく感銘を受けた、数少ない一つである。「世界最大の凧の博物館」は嘘偽りがない。


 この館だけでも、白根にやってきた値打ちは充分ある。新潟に来れば、お勧めのスポットである。 


『大凧合戦大会』のパレードが5月6日(木)の午後12時半に、白根小学校からスタートした。

 本通りは興奮状態になる。

 


 町のいたる所に六角凧が展示されている。

 とくに商店街の店先には、店名入りの凧が飾られている。

 大会期間(大人の部は4日間)のいずれかの日に、これらは空に舞い上がる。

 

 各地の園児たちがやってきて、沿道で声援する。

 幼いころから、大凧に接し、伝統を守り継いでいくのだ。



 大会の幟(のぼり)がやってくると、あと1時間半の午後2時から、熾烈な戦いがはじまるのだ。

 地元民は、その興奮を肌で知っている。


 越後美人はむかしから有名だ。

 いまは新潟美人という。にいがた観光大使がやってきた。

 大会関係者と並んで、パレードを盛り上げる。


 表通りの華やかさから、一歩、裏手に入ってみると、

 ひとり関係者が黙々と準備作業をしていた。

 

 昨日は「子ども凧揚げ大会」で、体力を使い果たした小学生たちが、パレードを見学していた。

 この期間中も、午前中は学校で授業があるという。

 よく見れば、生徒たちは先生に引率されてきている。

 地元小学生による市中パレードは、会場近くの交差点にきた。

 バトントワラーの掛け声で、定点となり、大勢の観客がなれ親しんだ曲目を演奏する。



 新潟県警の音楽隊もパレードに参加し、大会を盛り上げている。


 中学生も参加している。この年代になると、ちょっと照れ屋になる。

 堂々とした小学生よりも、なにかしらはにかんでいる。

 それも青春だろう。

 
 24畳の大凧がやってきた。300枚の一つだ。

 凧は大きく、拡げたままではパレードできないので、ロール状で運ばれてくる。

 きのうの大会会場で、
「のぼり旗とか、プラカードを持つのがとても楽しいです」
 小学5年生の柏百花さんが、そう語っていた。

 このパレードのどこかに参加しているのだろう。

 観光客の目線はパレードの仮装に流れていく。

 地元民は心のなかで、『元綱(もとづな)』が切られませんように、地元代表よ、しっかり勝ってこいよ』と祈っているのだ。

 ちびっこも凧運びに参加している。

 街なかに飾られていた六角凧が、パレードに参加する。

 それぞれのPRだ。


 町をあげて、「がんばってこいよ」と声援している。

 どんな戦いが演じられるのだろう。

 大人の部は激しく勇壮だと聞かされている。

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