A010-ジャーナリスト

報道写真展の取材について

「世界報道写真展2009」が、東京都写真美術館(東京・目黒区の恵比寿ガーデンプレイス)の地下1階展示室で開催されている。

 3年前の同展2006は、PJニュースで紹介したことがある。タイトルはhttp://news.livedoor.com/article/detail/2127972/

この報道写真があなたに何を訴えているか?3回連載だった。

 その写真展で、強く印象に残っているものがある。イラク戦争で死亡した米兵が家族のもとに帰るまで、それを追った組み写真だった。その時の記事を抜粋してみると、
『旅客機の機体から柩が下ろされているが、乗客はまったく何も知らされていない日常の顔だ。このさき兵士の遺体が家族のもとに着く。妊婦の妻が臨月のような、目立った腹部を柩に当てている写真がある。
「戦争は、この家族になにを与えたのだろうか」。生まれてくる子どもの将来を考えると、あまりにも哀れだ』と私は記している。

 この写真が私の記憶から消えることはなかった。同一の取材ネタは極力避けるようにしているが、同展2009を観てみたい、強い衝動に駆り立てられた。

  3年ぶりに、主催者の朝日新聞に取材を申し込んだ。快い許可をもらい、同社の文化事業部を窓口とし、東京都写真美術館の広報室の協力を得て、取材させてもらった。

             

今回の記事は、タイトル「報道写真から、世界が見える、人間がわかる、将来が読める」5回の連載だ。
「一枚の写真が世界の政治や経済を動かしたり、文化を変えたりすることがある。
過去にはベトナム戦争がそうだった。ジャーナリストが戦地で撮った、報道写真が世界中にショックを与えた。
 米国民の間には、「われわれアメリカ人が女や子どもに、こんな惨いことしているのか」と反戦運動が広がった。そして、米軍の完全撤退、という戦争終結を迎えさせた。
ジャーナリストたちは、そうした一枚の写真と記事を求め、世界を駆け巡っている』と、導入で記した。

 (3)のイントロでは、「悲惨な戦争現場の写真が数多くならぶ。戦争とは国境、宗教、イデオロギーの違いから、人間どうしが憎しみ、敵意を抱き、あげくの果てには血を流す殺し合いに発展していくものだ。戦争による犠牲者の多くは、一般市民の女と子どもである」として書きはじめている。

 複数の読者から、「日ごろの考え、反戦の精神が強く出ていますね」という評をもらっている。

(写真撮影:滝アヤ、6月23日)

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