A010-ジャーナリスト

記念パーティーは、その道のプロ、達人、名人ばかり

 カルチャースクールには多彩なジャンルの講師がいるものだ。フラダンス、陶芸、着物の着付け、詩吟、マージャン、カラオケ、水墨画など、98人の参加者は一人ずつジャンルが違う。珍しい講座も多い。受付嬢から、参加者名簿を手にしたとき、さすがカルチャーだと思った。
  
             

 9月23日、目黒学園カルチャースクール主催による、40周年記念の「講師懇談会」が開催された。場所はカトリック目黒教会で、同学園の第2教室でもある。
 西澤社長は挨拶のなかで、カルチャースクールには3つ多様性があると語った。

    ① いろいろな講座がある
    ② 評価が多様で、輝く人がそれぞれにいる。
    ③ たがいが尊重し、認め合う、という多様性。
「ふだんはバラバラであっても、学園祭や発表会など、何かあれば、一緒にやれる」と、同学園の特徴を語った。
 来賓の小山裕三さん(東京都民間カルチャー協議会顧)が「他の新聞社系のカルチャーへスクールはOBの天下り先で、会社的です。しかし、この学園はちがいます。アットホームな雰囲気で、『目黒さんま祭り』にも参加している。こうした講師の懇親会もおこなっている」と賞賛していた。

 乾杯の音頭は、レオ・シューマカ主任司祭だ。「乾杯は、お疲れさまじゃあありませんよね。なんですかね」とユーモアたっぷりのスピーチだった。

 乾杯の日本酒は2種類で、講師の入江亮子さん(日本酒テスティング)が選んだもの。『ふんわり酔酔』という発砲純米酒。もう一つはシャンパンのような日本酒で、女杜氏が作ったもの。ともに新酒で、まだ世に出ていないという。

 会場は立食パーティーだった。各テーブルには、生け花の講師が活けた、花が飾られていた。
 料理はすべてプロ講師の手作り。合鴨、金時芋、ナマス、カキご飯、マッタケの吸い物、味付けと盛り付けは半端ではない。一つひとつがずいぶん手の混んだものだ。ワインコーナーに行けば、北島祐子さん(YUKOのワイン)から好みにあったものが勧められた。
    

 司会もプロならば、歌、ピアノ、踊り、ハーモニカと、その道の達人ばかり。楽しいひと時が過ごせた。

 私は同学園で「小説講座」と「ブログ講座」をうけもつ。参加者からの「どうしたら、ブログのアクセスがあがりますかね」という質問が多かった。聞いた範囲内では、情報提供よりも、教えてあげるという、知識の一方通行で、「読み手」の立場とか、興味とかの意識がうすいように思えた。その点を説明させてもらった。

 パーティーが解散後、最後まで語り合っていた講師4人で、目黒駅ビル内のティールームに入った。
 歌舞伎の長唄・杵屋佐近さんは芸大卒で、父方、母方にも人間国宝の方がいるという。「歌舞伎は毎日がライブです。一つひとつの動作、間などが微妙に変わり、同じではありません」と語っていた。佐近さんからは来月の国立劇場に招待された。

 ジャズヴォーカリスト・沢村まみさんは、パーティーの舞台で歌っていた。スタンダードジャズからポップスまで、そのレパートリーは広い方だ。沖縄出身で、兄は作曲家の 中島安敏さん、姉は歌手の澤村美司子さん。「唱を上手に歌うには、話すように歌うことです」と沢村さんは話す。

 フェイシャル・デザィナーの山村桂さんは「美肌づくり&メイク」の講師。美しい女性だ。化粧については、「夢を売る仕事です。眉はミリ単位で、表情が変わります」という。それには驚かされた。

 会合とか、飲み会とか、パーティーとかに参加すれば、『あらたな出会い、あらたな人のふれあい、人の広がり』などがある。知らない世界の知識の広がりは心豊かにしてくれる。そんな実感が得られた。

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