A040-寄稿・みんなの作品

【孔雀船106号 詩】 春になっても  一瀉 千里

亀は いつのまにか
いなくなった
いついなくなったのか
なぜいなくなったのか

人でも 物でも
予告もなく
突然いなくなるのは 寂しい

いてつく冬には
いつも池をみつめていた
姿はみえなくても
ーーここにいるんだよね
池の中の 泥の中
亀は
冬眠していたはずだ
池の中の泥の中で冬眠する亀のイラスト.png

桜の花が満開になり
花びらが 池の表面を桜色に彩るころになっても
亀は あらわれない
冬眠したまま
そのまま死んでしまう亀もいる
そんな覚書が
ふと 脳裏をかすめた
ーーそういえば甲羅の大きさが
  ずいぶん大きかったよね
  自分の役目は もう終わった と
  人知れず 姿を消したのかな

海まで出向いて きっと
竜宮城へ 帰ったんだな


春になっても PDF.pdf

 【関連情報】
 孔雀船は105号の記念号となりました。1971年創刊です。
「孔雀船」頒価700円
  発行所 孔雀船詩社編集室
  発行責任者:望月苑巳

 〒185-0031
  東京都国分寺市富士本1-11-40
  TEL&FAX 042(577)0738
  メール teikakyou@jcom.home.ne.jp

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