【孔雀船102号 詩】 うすい 中井ひさ子
更新日:2023年9月 9日
久しぶりの上天気
太陽の下を歩いた
きっぱり生を確かめよう
なんだどうした
わたしの影が
うすいじゃないか
歳と共にうすくなってきているような
陽射しが弱いのか
見上げると
きらら光が落ちてきて
目にささった
はんぱな影が地面で
呑気に揺れている
今さら落ちこぼれるな
きつく叱る
そんなこと知らない
世の中の都合だろう
影は居直った
喧嘩している場合じゃないんじゃないの
【関連情報】
孔雀船は102号の記念号となりました。1971年創刊です。
「孔雀船」頒価700円
発行所 孔雀船詩社編集室
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