【孔雀船97号 詩】 「眠れぬ夜の百歌仙夢物語 八十三夜」= 望月苑巳
更新日:2021年3月15日
うっかりマグロの女房どのに「アイロンで顔のシワをとれば」と言ったら、
「あなたの足のニオイを先に取りなさいよ」と言い返された。
天に召されたばあちゃんもさぞかし笑い転げているだろう。笑い過ぎて落ちてこないといいけどな。
痒いのでふと腕を見たら真ん中に赤い切り取り線がある。
「それは蕁麻疹でしょ。バカな事言わないで」
またばあちゃんに笑われるかな。
相変わらず焼肉定食、失礼、弱肉強食の我が家である。楽しいな。
朝日新聞に掲載されているピーター・マクミランの詩歌翻遊「星の林に」は目からうろこ、なるほどと感心させてくれることが書いてある。日本人が見落としてしまう事をちゃんと発見してくれているからだ。例えば、
梅の花誰が袖触れし匂ひぞと春や昔の月に問はばや
(新古今和歌集、春上、源通具)
この歌について「もののあわれ、儚さなどは日本の美学としてよく言われるが、連想についてはあまり言及されないような気がする。しかし私は、連想が日本の美学の基礎にあると思う。今回の歌はまさにごちそうのような作品だ」と書いている。
【つづく】
【関連情報】
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イラスト:Googleイラスト・フリーより