寄稿・みんなの作品

【孔雀船 95号 詩】  魔物のノート 冨上芳秀

兄さん

写真を撮らせてくださいな

この子の七つのお祝いに

人を呪わば穴二つ

あなたの二つ穴をふさぎたい



少女にふさわしくない

塞ぎの虫を呪って

ウサギは駆けていった

生活に疲れた老女は

穴に入ったウサギの後を追って

ウナギのように

ぬめりとすり抜けて行った


穴の向うは別世界の月世界

齧歯類が可愛い前歯を見せて

人参を齧っています

虹を渡ってわななく思いを


渡月橋

トゲトゲしく

棘の増したサボテン女の

ラテンのサルサ


さる差しさわりの

あるいは何を

さらしの猿股事件

真相をさぐると

恥晒しの笹の葉

サラサラと

桜咲くササラ踊り


サザエのつぼ焼き

焼きシイタケ

虐げられたメシアのメシヤ


おい、そこの飯屋で

一杯やろうかと

兄さんはやけに気安く

私を誘ってくれましたが

これも気休め

骨休めと

酒を飲みながら

私を慰めてくれたのも

魔物の女の兄さんの

深い企みが

あったからですね


魔物のノート  PDF


【関連情報】

孔雀船は1971年に創刊された、40年以上の歴史がある詩誌です。

「孔雀船」頒価700円
発行所 孔雀船詩社編集室
発行責任者:望月苑巳

〒185-0031
東京都国分寺市富士本1-11-40
TEL&FAX 042(577)0738

イラスト:Googleイラスト・フリーより

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