寄稿・みんなの作品

【孔雀船 95号 詩】  続々・夕霧の墓 望月苑巳

つつみ隠すのですね

それから

滅びの音色へ

肩は寄せて

いみじくもあわれ

寄せては返すあわれ


兄さま、新しい館は慣れましたの?

庭の梅を春が匂うまで

月の光へ誘うとは

いけません。

だれが問いましたの?

はだれ雪も消えて

墓まわりには淋しく輝いています

兄さま、ここから

足音を枯らして祈りましたの?


それから

滅びの音色へ

梅の香は添えて

帰りましたの?

誰もがうるおう

春へなだれこんで

ぽつんと

叫びながらぽつんと

泣きながらぽつんと

沈まねば

梅の庭へ

兄さま、さびしゅうございます


夕霧さまの館が燃えています。

続々・夕霧の墓  PDF


【関連情報】

孔雀船は1971年に創刊された、40年以上の歴史がある詩誌です。

「孔雀船」頒価700円
発行所 孔雀船詩社編集室
発行責任者:望月苑巳

〒185-0031
東京都国分寺市富士本1-11-40
TEL&FAX 042(577)0738

イラスト:Googleイラスト・フリーより

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