かつしかPPクラブ・取材旅行(4)=大崎上島・神峰山:郡山利行
更新日:2017年9月23日
われわれは、最終の目的地である大崎上島にやってきた。
名峰・神峰山(かんのみね)に登った。
車でも、山頂近くまで登れる。
神峰山は伝説の山である。
神がすむ峰とは、ネーミングではおそらく日本一だろう。
この山頂から瀬戸内の島々が115島もみえる。
この数はまさに日本一で、多島美だという。
眼下に見えるのが、木江(きのえ)港で、造船の町である。
穂高先生が生まれ育った町である。
幼いころは、住まいの三方が遊郭(女郎屋)だったと聞かされた。
山頂の小さな建物は、四国の石鎚山を拝礼する社である。
眼下は県境であり、目前の島は愛媛県だという
来島海峡や来島大橋まで、立体感で一望できる。
ここ3日間は快晴だった。
海も、島も、青空も、心地よく迎えてくれた。
鐘つき楼がある。だれが何日なんど鳴らしても、まったく自由らしい。
山麓の人は、きょうはだれか神峰山に登っているな、と思うらしい。
除夜の鐘は108回と決まっている。神仏職の方が、108回まで数えてくれる。
「あとは好きにしんさい」
と言い、元旦まで、島の人は鐘をつきまくっていた、と教えてくれた。
木江港は、明治から昭和の売春防止法の施行まで、「おちょろ舟」に乗った女郎が、全国の船員らに知られていた。
身売りされた娘たち、幼い少女が亡くなると、お地蔵さんとして祀られていた。
穂高先生は、「山の日」神峰山大会で、朗読用の短編小説を2本書かれた。毎年続けていくらしい。いずれ「神峰山物語」として出版されるでしょう。
写真・文 : 郡山利行