寄稿・みんなの作品

眠れぬ夜の百歌仙夢語り〈七十六夜〉 望月苑巳

 忙しくて昼間洗濯ものを干せない時がある。仕方なく夜中に干そうとしたら「お月さまの匂いがつくからやめなさい」と娘(次女)の希望(のぞみ)に一喝された。
 なるほど、そうかと頷いたら続けて「かぐや姫にも笑われるし」だと。いろいろな考えがあるものだと感心。

 手をつないで寝たら同じ夢が見られると思うほどバカではないが、常識派でもないようだ。
 年賀状を書くつもりが脅迫状を書いてしまった一昨年も、はや記憶の彼方。年明けから母の一周忌法要を終えてホッとしているが、親不孝な娘たちにはいつも手を焼いている。ジイジとバアバ。神経戦は心が休まらない。

「バアバ、具合でも悪いのかな。まだ寝ているから起こしてきて」と孫の樹(いつき)に頼んだら「起きて」というべきところを、何を血迷ったか「生きてーっ」と叫んでいる。


 おいおい、勝手に殺すなよ。
 衣替えがあるんだから「子供替え」や「孫替え」があってもいいんじゃないかとバアバに提案したら「もっとひどい子がきたらどうするのよ。返品きくの?」というから私はきっぱりといいました。
「きっとクーリングオフがあるさ」
「オレオレ詐欺にあうかもしれないし」
「その時は、ボケたふりすればいいだけ」
 そんなことを言っている間に世界は大混乱に陥っていた。

 希望的観測がとんでもない結果を産むという見本が、USAトランプ大統領の登場だろう。民主主義の落とし穴が見つかったわけだ。ドナルド・ダックが世界を混沌の海にぶち込みやがって! 

 おっと、我が家のトランプは大丈夫だろうか。へっ?それは誰だって? 口が裂けても言えません。想像にお任せします。
 花金だというのに気分はブルー。マタニティでもないのにどうしてかな。こういう時は気分転換するに限る。いつものように酒瓶片手に地下世界にもぐるとしよう。

 そうだ、前回、大伴家持について少し書いてみたけど、残尿感のまま出てきたトイレ(汚くてごめん)みたいな物足りない部分があったので、今回もその続きをチョロチョロと(やっぱり残尿感だ)。

 さて真面目に! 万葉集に家持の歌は約二百二十首載っているが、とりわけ彼の持ち味が出ているのは天平勝宝二年以降に作られた作で、巻十九に多いというのが一般的な学者先生方の見解である(おいらはアカデミックな考えは嫌いだ。これって自己分析すればコンプレックスだろうな)。

 さて、お立合い。越中国守として六年の赴任がようやく解け、家持さんが都に帰って来たのは翌三年八月。この時家持は少納言になっている。つまり任が解ける一年ほど前に優れた歌がまとまって生まれたということになる。きっと心の重荷がなくなることになって軽やかな歌心を遊ばせることができたということだろう。

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