カメラマン

旅の情感、萩を訪ねる 「世界遺産とは大げさだな」

 山口県の萩に歴史取材に出むいた。

 廃藩置県で、最も早くに、お城を壊したのが萩城だ。

 ここらは小説で描くのだが、

 それにしても、お城が石垣だけとは、妙にさみしいものだな。 

 

 博物館に出むいたが、吉田松陰と高杉晋作ばかりがやたら目立っていた。

 松陰は、幕末の侵略軍事思想家だった。
 かれの思想の影響で、どれだけ多くの戦争犠牲者を出してしまったことか。

 高杉晋作がつくった奇兵隊は、荒れくれ者を大勢集めていた。結成当時から、略奪・強奪をしている。戊辰戦争が終われば、不満分子の巣窟となり、乱を起こす。
 最終的には、木戸孝允に鎮圧される。

 世界遺産となった宿命なのか。

 博物館が歴史的な公平さを欠いて、負の面を隠して賛美し過ぎているので、失望した。


 大学生のころに来た萩だが、

 街なかを散策しても、当時の記憶はほとんどよみがえらなかった。

 

 取材に旅立つ前日、山口県・下松(くだまつ)市の親友ふたりと、東京・大崎で懇親した。

 かれらは萩の街並みを賛美していた。

 とくに城壁の町はいいよ、自転車で回ったら、と強調していた。

 
 城壁の町はなぜ残っているのか。

 萩藩が幕末に、藩政を山口に移したから、

 萩の町は古いまま残っている。


  

 干し柿の構図が面白かった。

 もうすぐ寒い日が来るのだろうな。

 日本海側の冬は過ごしたことがないので、体感的にはわからないけれど。

 和服の女性が、ともにスマホで写真を撮っていたので、

 声がけして、撮らせてもらった。

「被写体にも、責任を持ちなさい」

 私は、そんな写真指導をしているので、彼女たちにいくつかのポーズをお願いした。

 狙い通り、ふたりは笑顔を浮かべてくれた。


初秋の上高地に魅せられて叙情を写す=(上)

 秋のひと時を、槍ヶ岳に登った仲間の下山を待ち、叙情にみちた上高地で過ごす

 梓川のせせらぎの音を聞きながら、雲と光にこころを染める


 拙著「燃える山脈」は、10代の美麗な岩岡志由が主人公である。今、ここ上高地によみがえる。

 作品は、200年まえの焼岳越えの、飛州新道が舞台である。

 きょうの焼岳は上高地に坐して、その峰は光り輝き、天に聳(そび)え立つ。


 湯屋の若女将の志由も、この道を通っただろう、。

 肌寒い高地の上高地にも、愛の光がさすのだろうか。

  

 高原の白樺路は、200年前に、岩岡家がつくった伴次郎街道だった。 

 山想う若い男女が連れ立って、これから舞台となった山岳に登る。


 
 運命というか、生い立ちというべきか、苦節を背負った志由は、上高地の湯屋に入り、穂高神社の嶽の神に祈る。

 あしたが見えない日々を送る。

 信じれば、前途に活路が見いだせるのか。
 

 

 志由と伴語がありし小舟で遊ぶ。

 ふたりの心には、明日への夢があった。

 高山の雨は細く、深遠にして、神秘な池面にかすむ。



 台湾の若き人たち。とたんに、現代に気持ちが戻ってしまった。

 異国の垣根はなくなり、いまや地球はひとつにありきかな。
 
 

 うす雲の下で、ふたたび『燃える山脈』に気持ちがむかう。

 神秘な湖面には、木の葉が浮かぶ。

 この池で、恋するふたりはなにを想う?

 


 静かな曇り日。穂高連峰は雲にかくれながらも、日ごと、秋のススキの穂を盛りにしている。

 ……、2年間に及ぶ、『燃える山脈』の執筆をふり返る。実在の志由をいかに魅力的に描くか。異性を主人公にした心理描写はとてもむずかしい。

 取材協力者があってこそ、生まれた小説だ、と感謝している。
 
 

初秋の上高地に魅せられて叙情を写す=(下)

 若者はこころ静かにあすを語り、

 秀麗な山と希望とをキャンバスに描く。


 雲の刷毛(はけ)が、蒼空と穂高連山をなでている。
 
 友とさわやかな想い出づくりに上高地へ。

 同性どうしとて、よき青春旅行だろう。


 、


 童謡の世界から抜けだし、少女は川辺に遊ぶ

 森閑とした緑濃く川は流れ、空飛ぶ鳥の声をしずかに聞く。



 高嶺の連山は湿原のかなたにありて、楽しき一日かな。

 折しも初秋の山風は、心地よく肌をなでていく。


 焼岳の噴火の歴史で、大正池の湖面はつねにかわる。

 いまや、名物の湖水の枯れ立木はなく、あらたな情景をつくりだす。


 雨後の白樺と岳樺が、ともに柔らかな葉陰をつくる。

 小道を歩けば、空気はとても新鮮なりて、こころを弾ませてくれる。

 河童橋はあまりにも有名。

 だれぞ、知ろう。芥川龍之介は、初期の登山家で、槍ヶ岳登山をなんどか踏破している。

 橋を渡る龍之介は、あの名作「河童」をここから生み出した。


 渓谷美では日本一だろう。

 優麗な情感で、いつまでも上高地はこころに残る。

 出逢いも、恋も、人生も、静かにつつみこむ。

 だから、また来たくなる、それが上高地だろう。 

 

途中下車の旅、真夏の京都で散策=観光外国人が多し

 

 中学の修学旅行は、奈良・京都だった。

「また、寺か」

 バスのなかで、私はウンザリしていた。そのつぶやきが、側にいた教師に、聞こえたらしい。

「おまえは、車内に残っておれ」

 夕方、旅館につくまで、ずっと車外には出られなかった。

 京都に来るたびに、それを思い出す。



  京都は、ことし(2016年)2月にきた。真冬だから、人出は少なかった。

  広島に行く途中で、真夏の京都に立ち寄ってみた。


  西洋人でも、女性はきものを着ると、3歩下がって歩くのかな。
 

  声をかけると、気安く、笑みを浮かべて撮影に応じてくれた。

  あまりにも、かしこまってしまい、写真としては歩く姿の方が良かった。


  中学の修学旅行で行けなかった寺のひとつが、銀閣寺だった。

  京都はよく立ち寄るが、これまで銀閣寺は意地でもこなかった。

  約半世紀たった今、やっと心の解禁だった。



 そうそう、龍安寺も、修学旅行で来なかったな。


 祇園から八坂神社あたりは、このところ着物、和服姿の女性が多い

 ことばを聞けば、7-8割が東洋人だ。

 きものは人気なのか。


 日傘にきもの姿は情感がある。

 きっと日本人だろうな。

 ふたりの雰囲気からして。

 

 私は旅先の買い物(みやげ物)はまったくしない。

 ちらっと横目でみるだけだ。


 店の外で、戯れているのは、アジア系のひとたちだ。

 存分に、楽しんでもらえばいい。

 「旅は恥のかき捨てだ」

 死語になったのかな、最近はきかない。

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第12回さつき会 (上) 写真で観る美麗な日舞

 2016年6月25日に、第12回さつき会が東京・大井町のきゅうりあん小ホールで開催された。

 さつき会は、尾上五月(元宝塚歌劇団の月組・五月梨世)さんの門下生たちで構成されている。毎年、6月に舞台で、日ごろの成果を発表する。賛助出演、友情出演もある。

 写真イメージから、キャプションをつけてみた。 

 大半がフィクションである



 京都の芸妓かな、と思うほどの、艶めかしさがただよう

 時代小説ならば、どう描けば良いのだろう

 目鼻立ちの良い女性。それでは月並な表現になってしまう



 藤の花が咲き乱れる頃、:芸妓がしずかに現れる

 艶美の世界に引き込まれていく


 幕末の維新志士たちのまえで踊る

 魅入る武士はあしたの生命はわからない


 
 志士に口説かれて、思案する姿が艶めかしい

 


 あなたを待ちに待っています

 私は芸妓でも、あなたに心から惚れているの

 夜な夜な、待っています


 「ちょいと、若奥さん」

 なにかしら

 「いいね、ふり返る和服姿はたまらないね」

 からかっちゃだめよ

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第12回さつき会 (中) 写真で観る妙技とシルエット

 さつき会の日舞の写真に、イメージからキャプションにつけています。

 大半がフィクションです。


 越後の郷土芸能の、「越後獅子」が見られなくなって久しい

 いやいや、さつき会に来れば観られるぞ



 巧妙に振りまわす白帯は、まるで生き物のようだ

 これだけ演じるには、どれだけの訓練、いや練習が必要なのだろうか



 裾も、袖も、乱れずに、ここまで踊れるとは、ひたすら感銘するのみぞ

 


 両唇をきりっと引き締めて、陽炎のごとく舞う

 シルエットも正確に踊っている



 江戸の気品に満ちた商家の奥さまか

 アヤメ咲く湖畔を散策で、はたして誰を待っているのか

 


 傘を回す、スピード感を狙ってみました

 単なる説明です 


 和服には、なぜか傘が似合う

 「ちょっと外出してきますよ」

 女将さんの声は、鼻に抜けるように、つつましやか

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第12回さつき会 (下) 写真で観る情と愛と心

 尾上五月さんには、大勢のフアンがいる

 彼女にはつねに感謝の気持ちがあるからだ

 だから、スタッフも一流の方々が集まり、さつき会の舞台を支えている


 お祭りマンボで、快活な舞台

 観るひとも、心がうきうきしてくる

  きりっとした男ぷりの良さ

  目でモノを言う

  相手はだれだろう


 男と女は、情と愛で結びつく。

 そして、いつしか別離というかなしみに陥る


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子どもらの関心は、花ショウブよりもこっち?=小岩菖蒲園(東京・江戸川区)

梅雨の切れ間に、花ショウブが花魁(おいらん)に似た華麗(かれい)な姿で咲きほこる。人びとの心をなごましてくれる。

 江戸川・河川敷の小岩菖蒲園は広くて、ゆったり、花ショウブが観賞できる。

 広大な敷地だが、入園料はなし。無料だから、近在の子どもたちが遊びにやってくる。

 カメラで追ってみた。


「なにがあるの? なにが採れるの」

 大人たちは、夢中になっている子どもたちが、妙に気になるらしい。


「これみて。ザリガニだよ。知ってる?」

 少年は、魚網のなかをみせてくれる。

「うちらも、子どもの頃、よく採って遊んだわよね」
 

 大人はすぐさま立ち去る。

 「花、そんなの関心ないね」

 子どもたちは、懸命に小魚やザリガニを追う。

 目のまえに咲く花ショウブなど、まったく目もくれない。

「ほら、見てごらん。花ショウブがいっぱいだよ」

 父親がベビーに見せている。

 むしろ、怖がっている。


 


 この菖蒲園はどこにあるの。

 京成電車がすぐそばを走っています。

 車窓からも、ちらっと見えます。


 下車して観賞してみるのも方法です。

 最寄駅は、『京成・江戸川』です。単純なだけに要注意。

 『小岩菖蒲園』だから、JR小岩駅などで降りたら、とてつもなく歩きますよ。
 



 多種多様な花ショウブが咲いています。

 ほとんどのカメラマンは、こんなふうに図鑑的に撮影しています。


 類似的な写真は面白くないですよね。



 ぼくは花なんか、まったく関係ないよ。


 採れた獲物の数さ。



 私も、そうよ。


 きょうはもっと採れるかしら。



 姉が弟を肩車する。

 現代では、まず見かけない貴重なショットです。

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アート・フリーマーケットは人と人のふれあい=(写真で見る)いろいろな顔

 船橋市の谷津には、アートフリーマーケットの会場があった。

 そこには微笑み、優しさ、素朴な顔がある。

 カメラで表情を写し撮ってみた。

 京成・谷津駅を出ると、すぐさま軽妙な懐かしい音楽が聞こえてきた。

 イベントの一つ、路上ライブだ。

 軽音楽を聴いて楽しんでいるひと、熱心に演奏するひと、リズムと歌が双方を結んでいた。



 路上を利用したお店が開かれている。

 品物を売るひと買うひと、ともに心のふれ合いがある。

 

 若い女性たちも、街角に出店している。

 仲間と気長に、お客を待っている。

 楽しい想い出になるのだろうね。


 選ぶ楽しさがある。

 衣類などが、ふたたび利用される。

 江戸時代から、日本人は物品を大切に再利用してきた。

 その伝統をみることができる。


 売り手が親切に、品物を説明してくれる。

 それが心と心のつながりで、じつに楽しい。


 いまは開花の盛り。

 買う前まえに、まず育て方の説明かな。



 ベビー連れの母親は、一休み。

 子供服はけっこう高いんだよね。

 フリーマーケットは、大切なところ。


 売り手の笑顔が、とても良い。

 均一な表情のスーパーマーケットとはちがう。

 笑顔は銭・金じゃないよね。


 街は色あざやかな花で飾られる。

 いい雰囲気をかもしだして、街全体が華やかになる。

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ゆりカモメの大群が浜名湖で乱舞=カメラマンは歓喜

 ローカル線の旅は、事前情報などない方がよいに決まっている。現地の人に見どころを聞けば、大半がお寺が多い。あるいはそば処などだ。つまらないな。
「他には?」
「ゆりかもめの大群が見られますよ。天龍浜名湖線では、そんなものくらいですかね」
 地元の女性からの、その一言で、
「ほかに見るところがなければ、そこに行ってみようか。決めた」


※ 写真の上で、左クリックすると、ゆりかもめの豪快な乱舞が『動画で』ごらんになれます。



 東京・新橋駅から都営「ゆりかごめ」が出ている。

 そんなイメージで、わずかな飛来だと思っていたら、まさにすごい大群だ。


 天浜線「浜名湖佐久米駅」で、地元の寿司屋の笹田順嗣さんが17年間にわたり、パン屑で餌づけしてきた。

 午前中の1回(上り下りの電車を被写体にしてくれる)。

 午後も同様に1回だ。

 つまり、1日4回は電車を被写体にできる。そんな配慮をしている。
 

 ゆりかもめはシベリアで産卵して、そして日本にやってくる。

 毎年、最初の飛来は10/27-8日ころで、15羽ていど浜名湖にやってくる。

 そして、30羽になり、さらに50羽になり、毎日増えていく。


 子ども羽根は茶色く、線が入っている。

 ゆりかごめの寿命は9年くらいで、年老いてくると、足の色が赤黒くなってくる。



 餌づけをはじめてから、11年目、さかのぼること6年まえから、警戒心がなくなり、頭に止まるようになった。

 きっと、全国でも、ゆりかご目が人間の頭の上に止まるのは、ここだけだろう、と笹田さんは話す。


 糞もよく落すから、一張羅(いっちょうらい)は着ていかない方が良い。

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