初秋の上高地に魅せられて叙情を写す=(下)
更新日:2016年9月15日
若者はこころ静かにあすを語り、
秀麗な山と希望とをキャンバスに描く。
雲の刷毛(はけ)が、蒼空と穂高連山をなでている。
友とさわやかな想い出づくりに上高地へ。
同性どうしとて、よき青春旅行だろう。
、
童謡の世界から抜けだし、少女は川辺に遊ぶ
森閑とした緑濃く川は流れ、空飛ぶ鳥の声をしずかに聞く。
高嶺の連山は湿原のかなたにありて、楽しき一日かな。
折しも初秋の山風は、心地よく肌をなでていく。
焼岳の噴火の歴史で、大正池の湖面はつねにかわる。
いまや、名物の湖水の枯れ立木はなく、あらたな情景をつくりだす。
雨後の白樺と岳樺が、ともに柔らかな葉陰をつくる。
小道を歩けば、空気はとても新鮮なりて、こころを弾ませてくれる。
河童橋はあまりにも有名。
だれぞ、知ろう。芥川龍之介は、初期の登山家で、槍ヶ岳登山をなんどか踏破している。
渓谷美では日本一だろう。
優麗な情感で、いつまでも上高地はこころに残る。
出逢いも、恋も、人生も、静かにつつみこむ。
だから、また来たくなる、それが上高地だろう。