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ピーナッツ菓子「豆板」のこだわり 《やぶ忠》=葛飾・柴又 鷹取 利典

 そば処の《やぶ忠》、ピーナッツ菓子「豆板」のこだわり
 
 豆板とは、ピーナッツと水飴を煉って、板状にした昔懐かしい菓子である。
 ピーナッツの香りが香ばしく、一度食べたらやめられない菓子だ。蕎麦屋なんだけど、この菓子を自家製にこだわり今も続けている。そこが面白いとご主人が語る。

 そば処の《やぶ忠》でなぜピーナッツ菓子「豆板」を、と疑問をむけてみた。

 始めは、先代の父親さんが、足立にあるお菓子屋から仕入れ売っていた。しかし10年前のこと、菓子作りを廃業されることになった。

 そこで先代の親父さんは、自分が継承したいと考えた。だが修行を依頼するも最初は断られた。
 ご主人曰く「結局は職人気質だ。そのまま終わられたほうがいいと、その職人さんは思ったのだろう。」と語る。
 先代は、半年間、掃除や手伝いをしながら通って、やっと作り方を教わったという。


【昭和に作られた機械。メーカーも「よく残っていた」と感心するほど】

 割れないようにと、硬く作るのは簡単らしい。熱いうちに延ばせば、薄くても割れない豆板が作れると、ご主人は語る。

 平らにする技術は、蕎麦を伸ばす技術に通じている。代わりに包装は多少折り目があってもしかたない。昭和の機械。ときには言うことを聞かなこともあるのだろう。

 それより、中身で勝負。安価で美味しい豆板をみんなに食べてほしいとご主人の気持ちが、強く込められている。

 取材で同店に伺うたび、豆板を買ってかえる。そこで気付いたことがある。日によって、豆板の香ばしさが違うのだ。
 豆板も蕎麦と同じ。毎日作っていても、同じ豆板はできない。

 ご主人は店先で『試食してみてください。今日の豆板ですよ。』と客に呼び掛ける。そう、「今日の出来栄え、今日の味」なのだ。


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