A045-かつしかPPクラブ

新金線は大願成就なるか? 葛飾の夢をもとめて=櫻井 孝江

 葛飾区内には、北から常磐線、京成線(本線と押上線)、総武線(快速・各駅)が東西に横切っている。

小松橋から新小岩駅方面を写す

 しかし、南北を繋ぐ鉄道はない。亀有等から東西線の葛西へ行く時は、バスを利用するか、都心を通って大きく迂回して行くしか方法はない。

 不便を感じている区民もいた。そこで、金町・新小岩間にある線路(貨物の新金(しんきん)線(せん))の利用を旅客用に考えた人々がいた。記者もその一人であった。
 葛飾区内の南北の旅客鉄道の願いが、どのようになっているか 調べることにした。


明治30年12月27日(1897)   金町駅開業

大正15年7月1日(1926) 新金線開通(同時に新小岩操車場開設)

昭和3年7月10日(1928)    新小岩駅開業

操車場を停車場(駅)に変更した

昭和21年(1946)  新小岩駅にて貨物営業開始。

昭和38年(1963)  新中川開通(線路が一部変更になる。奥戸中学校あたり)

昭和39年(1964)  新金線電化

昭和43年(1968)  駅の貨物営業分離で、新小岩操車場駅開設

           操車場跡



・新金線のJR戸籍上は、総武線支線 貨物線である。

・区間は、新小岩信号場駅から金町駅迄である。

・距離は、6,6㎞の全線単線である。


2、新金線の今

 現在の新金線のダイヤは下記の10本である。

① 金町駅発➡新小岩駅着

   0027➡0038(日曜休)

   0624➡0635
 
   1017~1049➡1223~1053

   2131➡2141

   2250➡2301

② 新小岩駅発➡金町駅着

   1523➡1533(日曜休)

   1745➡1758

   1920➡1930

   1949➡1959

   2230➡2241


『新金線に沿って15ヶ所の踏切がある』

 新小岩寄りから、

 奥中区(おくなかく)道(どう)・立石大通り・細田・東京街道・耕道・耕道第二・小松川街道・高砂・新堀・新宿新道・柴又・浜街道・三重田街道・第二新宿道・新宿道である。

 (人・自転車のみ通行)

 新宿新道は、国道6号線と交差している。その他は、のどかな住宅地の中である。

 高砂付近で、金網で囲まれた線路を、金網の隙間から入って、反対側に歩いていく女性を見かけた。

  『これからの展望』

 葛飾区内の南北の鉄道がないので、バス路線が区内の隅々まで行き渡ってきた。新金線沿線を取材していると、かつて、旅客化・複線化を考えていたのではないか と思える場があった。

 新中川を渡る陸橋に沿って、橋脚がもう一列ある。

 橋を渡った線路沿いの一部には、盛り土が幅広くなっているところがある。線路際にある細田小学校の場所に駅を作る予定であった という噂もあった。

 葛飾区都市計画マスタープラン地域別まちづくり勉強会のまとめ(平成21年9月 6日)には、金町・新宿地域と奥戸・新小岩地域から 

○新金線の活用で旅客化できないか。


○電車を走らせなくても、既存線路を活用した新交通システムを活用したい。
 等の意見が出ていた。しかし、JRからは、「貨物線の廃止は、代替路線がないためできない。」と説明済みの返事であった。

 平成28年区議会でのくどう きくじ議員の質問にも同じ回答が寄せられている。

 区議のうめだ 信利さんが、今も新金線の活用を訴えている。

 旅客化となると、国道と交差している部分の問題などがあり、難しくなり、現実化は厳しいと分かった。

                          
                2016.9.19~10.4取材 10.28編集


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     かつしかPPクラブ  櫻井 孝江

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