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「生物多様性とは、人間の勝手で作った言葉だ」市田淳子さん

 伊吹山(いぶきやま、いぶきさん)は、主峰(最高峰)標高1,377 mの山である。滋賀県米原市、岐阜県揖斐川町にまたがる。植物の宝庫である。

 現況において、さまざまな問題があるようだ。「すにーかー倶楽部」の市田淳子さんが、「地球温暖化」と「生物多様性」を取り扱った作品を寄稿してくれた。


 伊吹山は長い間行ってみたかった、と彼女は記す。『なぜ行きたかったかというと、特異な気候と地質、固有種の多さ、そしてお花畑を見たかったからだ。』

 登山をしながら、山頂の三角点を確認し、そこでみたものは、柵に囲まれたクガイソウ、ミヤマコアザミ、サラシナショウマなどの群落だった。
 保護が必要となったのは、シカなどの食害というより、温暖化によるアカソ、センニンソウ等の繁殖力だそうだ。ここから、現況から今後を見渡す問題点を抽出している。

 温暖化とはよく聞くことばだ。片や、最近は急激に高山植物の体系が変化してきている。どこかしこも、高山植物で美しく輝いていたお花畑が全滅してきた。『雑草だらけの山だ』という声すらもある。
 それは単に温暖化だけの問題ではない。自然に対する人間の向い方だ、と彼女は言う。

 登山者からの叫びや提唱だけではない。山登りをしない人も、「自然と人間の関わり方」として認識するべき問題だろう。


 穂高健一ワールドの『登山家』『新しい寄稿作品』に掲載されている。

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