登山者よ、気象予報士をあてにするな=北ア・表銀座(上)
更新日:2016年9月14日
台風の影響で、山岳地帯は大荒れだって。
ふたつのパーティー、6人が燕岳(つばくろだけ)の中房温泉で、合流した。
天気予報で、気象予報士が、くり返し、本州は台風の予想進路上にあり、もはや前触れが出ている、海山は大荒れだと自信たっぷりに言っていた。
「行けるところまで、いく」
そう決意した。
合戦小屋は、悪天候でも、引き返せるぞ、という位地にある。
混み具合は、そこそこだった。
ここらで、一服するか、と登山計画通り。
山麓に、登山届はもちろん出してきたさ。
あくまでも、山は荒れないだろう、という予測のもとに。
ガス(霧)が出てきたぞ。
奇妙な石仏が、ガスのなかに浮かんでいた。
悪い予兆か。
燕岳の稜線に出ると、真っ青な快晴だ。
まだ、まだ、気は許せないが、
ザックは燕山荘(えんざんそう)において、燕岳の山頂をめざす。
北アルプスの一座(いちざ・一つの山頂)は、登った。
2763㍍の証拠写真は、しっかり撮っておこうぜ。
ここは譲り合いの精神だ。
山頂の美観をもっと満喫したいところだが、後から登ってくる人に場所を明け渡す。
きょうは雨もなく、無事に登れた。
明日の天気がやたら気になって仕方ない。
どうなるかな、と遠近の雲の動きをみる。
稜線にかかる雲は、気象予報士の占い?通りで、大雨なのか。
夕焼けま美景が、感動を呼ぶ。
稜線と雲海のかなたに沈む太陽は、あしたは顔を見せてくれるだろうか。
これだけ見事な造形をつくるのだから。