寄稿・みんなの作品

【孔雀船 94号 詩】 尊厳 福間明子     

夜のとばりは平行線に

この香は花橘か

風に乗って闇をすくいからめて

心に届くまでにしばしの時を       

心を開くまでにしばしの時を

さりげなくという時期ではありません

すでに時は迫り来ています

すぐそこにあるのは底知れぬ畏怖



黄金律の素敵な季節

坂道の途中で見つけた満開の白い花

胸いっぱいにその香を吸い込んで

振り返ってみたのです

懐かしいものがよみがえってきて

抑えきれないほどあふれてきて

すべては遠い過去のことなのですが

過去とは限りません


いま一度風に心をのせます

何処まで運ばれていくのでしょう

自由という予想もできないものに寄り添われて

運ばれていくのがわかります

わかる気分が欲しいと思うのです

それから尊厳の意味がこころよく響くあたりに

待たれているように思うのです

ほのぼの明けの彼方に

尊厳 福間明子・縦PDF


【関連情報】

孔雀船は1971年に創刊された、40年以上の歴史がある詩誌です。

「孔雀船」頒価700円
発行所 孔雀船詩社編集室
発行責任者:望月苑巳

〒185-0031
東京都国分寺市富士本1-11-40
TEL&FAX 042(577)0738

イラスト:Googleイラスト・フリーより

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