【孔雀船Vol.92】 ひさしぶり=中井ひさ子
更新日:2018年8月 9日
羽音がした
ごきげんさんと声がかかった
カラスごときに知り合いはない
耳の底がうごく
奇妙な懐かしさが
にじんでくる
会ったことあるか
子どもの頃か
いや
もっともっと
なみだつ向こう
おぼろな
ひかりのなか
目と耳だけで話したな
抱えていた思い
宙にういていたな
いちにのさんで飛び降りた
カラスになってどうだった
トカゲとイモリが怖いねん
人の暮らしはどうなんや
人ってあんがい怖くって
【関連情報】
孔雀船は1971年に創刊された、40年以上の歴史がある詩誌です。
「孔雀船」頒価700円
発行所 孔雀船詩社編集室
発行責任者:望月苑巳
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イラスト:Googleイラスト・フリーより