A040-寄稿・みんなの作品

【寄稿・コラム】 奇跡ってあるんだ~!ご縁も奇跡?= 広島hiro子

 新聞の正月記事は特に念入りにチェックする。国の行く末、平和につながる良いアイデアはないかーと、もう20数年になるだろうか、お陰で私の部屋は新聞記事、書籍などのスクラップの山なのです。あ~~若いころは音楽と恋とお洋服が私のすべてだったのに。
 ひとは出会う人やきっかけ次第でこうも変わるものなのですね。ひとの縁こそが私にとっての奇跡・・・感謝&畏怖する年初であります。

 今日は、1月3日の中国新聞オピニオン記事のなかの奇跡(?)を他ふたつご紹介します。
 ひとつは、物や仕事の縁のことです。穂高健一氏が掘り起こしたといえる「芸藩誌」がそうだと思います。核兵器で壊滅し、歴史をさぐる資料をほとんど失くした広島に、奇跡的に残った「芸藩誌」、これなくしては『二十歳の炎』という高間省三を描いた歴史小説も、生まれていませんよね!?

 仏教大歴史学部の青山教授も史料から、芸州が明治新政府の中心の可能性もとお考えです。学会はまだ注目されていないようですが、青山教授を中心にこれから研究のご予定らしく、歴史を覆す新しい発見になるのではないかと私もワクワクしています。

 しかし、こんなすごい史料、よくぞ突き止められましたね。穂高さんの行動する執念がこの奇跡を呼んだのでしょうね。 求めれば与えられるという奇跡があるんだということが、またすごいと思います。


 それともうひとつの奇跡があります。それは偶然のようなひらめき、インスピレーションです。例えば小説家ならば、予期せぬ言葉が、話をしているときや、一心不乱に小説を書いているときなどに湧いてきたりします。
 私でもありますよ。お風呂で髪を洗っているとき、あるいは目覚める前とか。これがイノベーションに繋がったりしてきます・・・、皆さまのひらめき経験はどうでしょうか?

 このオピニオン記事にある『富国富民』は、きっとインスピレーションという奇跡が起こした言葉なのでしょう。少なくとも私のなかでは奇跡です。
 歴史にある「富国強兵」とは真逆の言葉なのですから。私の希望する平和は、軍事国家で儲ける富国でなくて、民が強く優しく豊かになる国です。

 歴史はシロウトの私が想像するに、幕末の志士たちが欲したのは、近代技術や金融システム以上に、それまでの身分がすべてであった封建時代とは相反する、理想的な民主主義の考え方だったのだと思います。
 実際には本物の民主主義にはほど遠いものにすり替わったのですが、福沢諭吉や二宮尊徳の名言が、これから未来にこそ生きてくると期待しています。

 穂高さんの持っておられる奇跡は、歴史家に不足しがちな経済的理論です。経済学部首席で卒業された? 異色の歴史作家の強み。それに広島出身という地縁も、奇跡的だと感じられます。

 できれば、これからの先生方の歴史の検証をきっかけとして、今昔、誰も民を中心に考えなかった施策に、歴史の偉人たちの熱き志を呼び戻してもらえますように願っています。

 ちなみに、宗教学者からの重要なメッセージがありました。奇跡は、宗教だけの専売特許ではなく、どこにもあるのだそうです。2017年は良くも悪くも、「変化の年」だと思います。勇気ある行動は、思いがけない奇跡を呼ぶかもしれませんね。
 皆さまに、たくさんの奇跡や幸せがありますように。年の初めにて、お祈り申し上げます。


            写真:広島城(原爆で完全焼失したので、復元です)


                                             【了】

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